*1  7インチタブレットの利用シーンいろいろ

Google Nexus 7 が販売されたこともあり、7インチタブレットに興味を持ったり実際に買った人が身の回りにも増えてきたが、実際にどんなことに使えるのかがピンときていない諸兄も少なくないように感じる。 私は去年の11月にKindle Fireを買って、その後ROMをAmazon謹製のものから ICS(CM9), JBに入れ替えて使っている。
個人的な印象としては、7インチタブレットはスマートフォンでやっていることをより大きな画面で快適にやるための端末、10インチタブレットはPCの代替として使うことも想定できる端末という印象で、ユースケースもそれに準じやすい。 スマートフォンとPCを両方使っている人でも、7インチタブレットはその隙間を埋めるアイテムとしての使い道があると思う。 今時なら$199でまともな端末が買えてしまうことだし、持ち歩ける画面の大きな情報端末としてこんな使い方はいかがだろうか。

自炊した漫画を読む

Kindle Fire のレビューにも書いたが、7インチタブレットが最も向いている用途の一つ。 PerfectViewer を使うと .zip や .rar で固めた画像ファイルを電子書籍として大変快適に読むことが出来る。単ページを全画面表示するのが標準的な使い方になるので、見開きが多い漫画は多少読みにくいが、それを除けば片手持ちでページをポンポンめくって読めるのは大変快適である。

自炊した書籍や PDF の電子書籍を読む
書籍は殆どの場合 e-ink 端末で読むほうが快適だが、もちろんタブレットでも読める。技術書などでページを飛ばしたり行き来する頻度が高い場合は反応速度や UI の面からタブレットのほうが快適な場合もある。

画面サイズが7インチのため新書より大きな書籍を読むのはサイズ的に快適とは言い難いが、ezPDFReader のように自動的に余白を削って拡大表示してくれるリーダーであれば読めないこともない。O'Reilly の Ebook達人出版会 のように DRM フリーの PDF を販売しているところも増えていて、こうした PDF では Text Reflow で文字を読むことも出来るので可読性は高い。当然 Kindle の書籍ならばなんの問題もなく読める。

(WANやクラウド上のファイルを転送する)
こうしたファイルの転送は Android であれば PC を経由する必要なく Tabletから直接出来る。私は X-plore File Manager を使っているが、Samba, FTP などでのファイル転送の他、Dropbox や Box.net なども直接扱うことができ、また切り替えて使う2ペイン構成はファイルのコピーに便利なので重宝している。

自宅ネットワーク内のみで使うのであれば cifs manager などで Samba をファイルシステムとしてローカルに mount して使うのも手だろう。

動画を見る
Kindle Fire も Nexus 7 も内蔵ストレージが小さく microSD スロットもないので、大きな動画をストレージにコピーする使い方にはあまり向かない。 Android には UPnPlay などDLNA対応のクライアントがいくつかあるので、動画ファイルは自宅のNASなどに置いてオンデマンドで再生させるパターンが使いやすい。うちではサーバ側は ps3mediaserver を使っている。

H.264 の mp4/m4v であればHWAが効く機種が多いので再生はなめらかで全く問題ないし、それ以外の形式でも MXPlayer を使って再生できるものが多い。7インチの画面は映画を見るには幾分小さいが、スマートフォンと比べたらかなり快適さを感じられるサイズだ。 また最近は Hulu+, Netflix など月定額やオンデマンドで動画を再生できるサービスも増えてきており、普通のインターネット回線であれば快適に閲覧できる。 当然 Youtubeニコニコ動画 も快適に見ることができる。

ニュースを読む
スマートフォンでニュースを読む人は多いだろうが、画面の大きさ的には7インチタブレットのほうが快適に読み進められる。特に最近リリースされたばかりの Flipboard は暇つぶしに記事を眺めるような使い方が快適。Google Current も同様に使える。Google Reader を使っている人なら JustReader を同期させて使うのも悪くないだろう。動画を含め、今時流行りの TED も問題なく見ることが出来る。

ウェブの記事をクリップして読む
スマートフォンやWebブラウザでニュース記事を見つけたが長くて読む時間が取れなかったような場合は、Instapaper を使って Kindle にコンテンツを送る ことで、オフラインでもクリップしたコンテンツが読める。人によってはこれだけでも結構便利な使い道だろう。

ゲーム
実は7インチタブレットが最も実力を発揮できる用途のひとつかもしれない。手持ちゲーム機として考えた場合、最大レベルの画面サイズであり、最近のタブレットであれば性能も十分。スマートフォンでは画面が小さすぎて操作性に難のあるゲームでも7インチのサイズがあれば仮想コントローラ部分を含めてそれなりに操作できる。Play Store では同じ Google Account で買ったアプリは他のデバイスでも利用できるので、スマホで買ったアプリがあればタブレットでも試してみるもいいし (画像は Metal Slug 3)、無料のものも Angry Birds Space などを始めたくさんある。 とは言えやはり物理コントローラに及ぶものではないので、ゲームによっては Bluetooth で繋がる Sixaxis の利用 を検討してもいいかもしれない。

子供を遊ばせる
7インチタブレットは持ち歩けるし安いので、外出先で子供をあやすのにも便利に使える。 絵本を自炊して読ませるのも便利だし (幸い絵本は裁断しなくても自炊しやすいものが多い) 、 Kids Paint Free のようなお絵描きソフト、 Real DrumPerfect Piano のような楽器、 Toddler Tapping ZooKids Zoo のようなソフトもあるし 動いて読み上げしてくれる絵本 もたくさんある (日本語のものは少ないように思えるが...) 。

この他にも仕事の資料やプレゼンを持ち歩くのもありだろうし、もちろんメールの閲覧や SNS のメッセージ閲覧なども画面が大きい分だけスマートフォンなどに比べればより快適に使える。2ch や Forum の閲覧に使うのもありだろう。 前述の通りPCの代替えとしては画面サイズや入力の面などで不十分に感じることがあるが、スマートフォンを使っている人がより便利な使い方をするという方向性にはかなり向いているんじゃないだろうか。

*1  Kindle Fire に gedeROM v1.15 {3.0 Kernel, CM9, Android 4.0.4} を導入

先日 Kindle Fire に gedeROM / ICS / CM9 を入れて以来、Windows に繋いでも adb から認識できなくなった。2012/5/7 版の gedeROM v1.25 にあげても問題は解決せず、Device Manager には Storage Device のところに Am と言う名前のデバイスだけが表示される。当然 Kindle Fire 側の USB Debug mode は On の状態。

Linux から繋ぐと認識できるので、よくある Device ID 変化の問題らしい。回復までそこそこ手間取ったのだが、結論としては [REQUEST] ICS ROMs Hardware ID Standardization スレッドの#5 にある Code を丸ごと android_winusb.inf として置き換え、一度接続して認識させた後に Device Driver を Uninstlal し、再度接続してドライバをインストールすることでうまく動いた。認識後は Device Manager には Android Phone - Android Composite ADB Interface として認識され、Devices and Printers - Kindle - Kindle Properties には Hardware の Device Functions に 5 項目並ぶ。
  • Am - Disk drives
  • Android Compsite ADB Interface - Android Phone
  • F:\ - Portable De...
  • USB Compsite Device Universal Se...
  • USB Mass Storage Device - Universal Se...
なお gedeROM の開発者は v1.25 で Device ID を Nexus One と一緒にしちゃったみたいで、これはこれでどうかなーと思う。

*1  Kindle Fire に gedeROM v1.15 {3.0 Kernel, CM9, Android 4.0.4} を導入

最近の Kernel 3.0 update で長いこと懸念だったKindle Fire + ICS でも動画再生時の Hardware Acceleration が機能するようになり、それを組み込んだ CM9 (CyanogenMod 9) ベースの ROM がリリースされていたので、早速手元のKindle FireをCM7からアップデートした。 ICS は元々 Home や Back 等のハードウェアボタンがないことを前提とした設計になっていることもあり、そうしたボタンの無い Kindle Fire では特に快適に使える。

以下に簡単に手順を記載するが、基本的にはある程度の知識がないとぴくりとも起動しない文鎮を作ることになり、特に日本からでは修理も大変であろうからその辺りは踏まえた上で自己責任でどうぞ。

まずは Kindle Fire Hack の定番である Kindle Fire Utility を使って TWRP と FireFireFire を入れる。既に入っているという人はこの手順は飛ばして大丈夫。

最初に install_drivers.bat でドライバをインストール。 Kindle Fire側でUSB Debug modeをONにしてUSB接続し、run.batを実行。 うまく認識すれば ADB Status が Online になるはず。 そこから
  • Install Latest TWRP Recovery
  • Install Latest FireFireFire
この2つを入れる。これらは Kindle Fire の Bootloader と Recovery Tool を置き換えるもので、起動時に黄色の三角に炎のマークがはいったロゴが表示されるようになる。この表示中に Power Button を押すと TWRP が起動し、ROM の Flash などが出来るようになる。

Kernel 3.0 / ICS / CM9 ベースの ROM は XDA-Developers の Kindle Fire Development forum に幾つか種類があって更新されているので、Features などを見て好きなものを選ぶと良い。 私が入れたのは CM9 gedeROM の Apr. 27 バージョン。 TWRPさえ入っていれば手順的にはこのフォーラムに書いてある通り。
  1. 最新版の .zip ファイルをダウンロード
  2. ダウンロードしたファイルを /sdcard/ 以下に置く
  3. Kindle Fire を再起動して Recovery mode へ入る
  4. Factory Reset を実行
  5. Wipe Dalvik Cache を実行
  6. /sdcard/ 以下に置いた .zip を選択して Flash
  7. Reboot を選択して再起動すれば CM9 が立ち上がる
手順にある通りデバイスを Factory Reset するので、なにかとっておきたいデータがある場合は Titanium Backup などでアプリやデータのバックアップをとっておくのがお薦め。

ちなみに世間的には My Tablet 7 と言うモデルが $149 で Android ICS, 7inch 800x480, Coretx A8 1.5GHz CPU, 1GB RAM, 16GB Storage + microSD slot, 10.75oz (305g) というスペックで出てたりする。Kindle Fire の液晶 1024x600 IPS 以外は遜色ないかそれ以上のスペックで更に安い。のでまあ、Kindle Fire を買ってわざわざ非サポートの ICS を入れる必然性は高くなくなってきているかもしれない。

Kindle Fire レビュー 補足

Posted by yoosee on Android at 2011-11-19 11:45 JST

*1  Kindle Fire レビューの補足

先日のレビューに幾つか補足。Hack 系の話は xda developers のアップデートが元なので気になる人はそちらをウォッチしておくのがいいかと。

コミック、単行本以外の自炊/PDF読書: 基本的には 7インチ画面なので技術書ないし新書以上のサイズの読書には 6インチ e-ink と同様の画面サイズの問題が出てくる。Landscape で読んでなんとかギリギリと言う感じ。ページの切り替えは速いけど、文字を長時間読むならやっぱり e-ink 版が適していると思う。

Android Market: Android Market を Kindle Fire にインストールする方法 が公開されている。基本的には /system/app の下に適切な permission で入れないといけないってだけらしい。 実際に入れてみたけど特に問題なく動く。root 取得は必要。

Android Market や Google アプリが入った時点でもう殆ど普通の 7インチ Android タブレットである。しかしそうなってから Market を見てみると、Tablet 非対応のアプリって結構多い。また普通の Tablet として扱うと、他の市販品からの優位性は値段程度だというのは気がつくとそりゃそうだよなとは思う。コストパフォーマンスには非常に満足だけど。

日本語入力: 日本語表示が問題ないことは書いたが、日本語入力、と言うよりはそもそも IME の切り替えが標準では出来ないので Shimeji や Swype などが使えない。とは言え方法が無いわけではなく、単純に設定が不可能なだけなので How to enable Swiftkey on Kindle Fire にあるように /data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.db を sqlite3 で開いて必要なエントリーを書き込む、と言う荒技で解決はできるというレポートが上がっている。多分、そのうちこれを代行してくれるアプリもでてくるとは思うので、そのうち普通に使えるようになるんじゃないかな。もしくは当然 Custom ROM が出れば解決する。

細かい不満点: 最大の不満はやはり、内蔵ストレージが 6GB 程度しか無い上に microSD スロットなどの拡張も無いこと。標準のランチャから Amazon のクラウド・音楽・映像サービスをオンラインで使う分には実はそれほど気にならないので、Amazon としては正しいアプローチなんだろう思う。しかし正しくない(?)使い方をしているとやはり多少気になる。まあ映像の閲覧だけオンラインのみに割りきってしまえばそこまで辛くは無い。

他はハードウェアの作りとして、電源ボタンが何故か下枠にあるので縦持ちで支えているときに不意に電源がOFFになってムキーとなる事と (これについては「ひっくり返してから画面Rotationを固定する」という技が提唱されている)、映像を見るときは横向きが殆どなのにステレオスピーカーが縦向きに付いていることは設計者をかなり問い詰めたいが、今のところの不満はその程度かな。

*1  Kindle Fire が届いたので早速軽くレビューしてみる

Kindle Fire が今日届いたので簡単にレビュー。正味 1時間程度しか触ってないのであまり深入りしてないけどそこはご容赦を。 ファーストインプレッションとしてはこの値段でこの性能・機能は十分以上の評価をしていいと思うし、7インチタブレットとして主に閲覧目的に気に入って使えそうだ。なお日本未発売だし、日本に持っていって使えるかどうかは知らない。

良い点
  • 安い。$199 と言う値段が全てといえば全て。日本円換算すると16,000円以下。
  • この値段としては十分以上の性能。1024x600のIPS液晶ディスプレイと1GHz TI OMAP Dual Core CPU は最新では無いものの今時のスペック。性能面からは RAM が 512MB なのが残念だが、実用には耐える。
  • 7インチで413g のサイズ。多分手持ちで使うならこれくらいの重さが限界。持ってみると思ったよりも重いけど、これより重いタブレットって手持ちで使えないのでは。ハードウェアの質感はマットで安っぽくは無い。
  • 傷がつきにくい Extra Durable Display と安価な事、そこそこ手軽なサイズとあわせて、無造作に持ち歩くのも躊躇しなくていいのが気分的によろしい
  • 日本語表示は特に問題無し。ウェブブラウザでも別途入れた ES FileManager での日本語名ファイルも、特に問題なく日本語表示ができた。Silk の Text encoding には UTF-8 以外にも ISO-2022-JP, Shift_JIS, EUC-JP がちゃんとあった。
残念な点
  • microSD等の外部ストレージがなく、内部ストレージが 8GB (うち利用可能なのは 6GB 強) しかない。いくら Cloud Storage があるとは言え、もう少し大きさが欲しかった。Wifi がないところで使うのが結構きつい気がする
  • タッチセンサー式も含むハードウェアボタンがほぼ全くない。あるのは唯一電源ボタンのみで、音量すらソフトウェア制御。画面上に操作エリアが独立して存在しているけど、最初は結構戸惑う。Home や Back をいちいち呼び出さないと使えないのは煩わしく感じる。
  • IMEの切り替えが出来ないので日本語入力は今のところ出来ていない。
  • Bluetooth が無い。致命的ではないが映画鑑賞時にワイヤレスヘッドセットくらいは使いたかった。
  • GPS、カメラが無い。が、スマートフォンに加えて2台目のTabletとして使う分にはあまり困らない。
その他、色々と雑感を。

ホーム画面: はAmazon謹製で、いきなり書棚が表示される。ここから書籍、映像、音楽、アプリなどに直接アクセスでき、またローカルデバイスと Amazon Cloud Drive 、Amazon Shop もシームレスにアクセスできる。これを Kindle として Amazon のサービスを中心に使おうという人には迷わなくていい作りになっていると思う。どんな感じかは Engadgetのレビュー記事に動画もあるから見てみるのがいいかと。

反面、設定画面からAndroid標準と違うので、安価な Android Tablet として使うには多少のノウハウが必要。とは言え Amazon Store からも普通に入れられる GO Launcher EX でも入れてしまえばごく普通の Home 画面が使えるし、ファイルマネージャも同様に使える。ちなみに HTC Incredible の Amazon App Store で購入したアプリは Kindle Fire でも購入済みとして利用可能だった。これは結構うれしい。

アプリ: は Amazon App Store のみでの提供で、現在約 10,000 程度しかないらしく、300,000 を越えた Android Market と比べると流石に見劣りする。使いたいアプリがちょこちょこ無いのは結構ストレス。ただ Allow Installation of Applications From Unknown Sources を ON にしてしまえば .apk を普通にインストールできるので、手間を厭わなければさほど困らない。 実際 apk から DropBox や Google Maps などもあまり問題なく入った。Android Market は今のところうまく入れられてない。

動画再生: は極めて快適。Amazon Prime や Netflix でのストリーミング、ローカルに 720p の .m4v ファイルを置いての再生ともに、特に問題を感じるようなことはないし、画面も鮮やかで発色がいい。App Market から Skifta を入れて、DLNA 経由で自宅LANにあるサーバ (PS3Mediaserver on Debian) からの再生も問題なくできた。

Kindleでの読書: などの際にページめくりで引っかかる的なコメントを幾つか見たが、今のところストレスになるような事は特に無い。フリックだと指が引っかかる感じがないではないけど、画面タッチでページ送りする分には速度も含めて何ら問題無し。

なお、自炊したコミックを PerfectViewer で読んでみたが、この用途には大変快適である。小説だと単行本や新書は問題ないがそれ以上だとちょっと読みづらい。なんにせよコミック以外の読書目的なら e-ink Kindle の方が向いているとは思う。

Silk Web browser でのブラウズ: はこれが結構快適。リンクをクリックすると2,3秒で次の画面がパッと出るくらいの速度感でブラウズ出来ていて、クラウド側での処理や圧縮が効いているのかなと思える。サイトによっては PC より快適かも。ただ画面サイズが中途半端なので、拡大縮小したりなんだりという操作は多少面倒にも感じるが、それは 7 インチタブレットのサイズの問題なので仕方がない。

root取得: だが、Kindle Fire の root 取得はすごく簡単で、やり方が xda で公開されている。 この値段と普及数を考えても、この先の Android Tablet Hack の基本になるんじゃないかな。きっと ICS ROM もそのうち出てくるんじゃなかろうか。

もう少し使い込んだらまた書くかもしれないが、今のところはこんな感じ。

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