日本のスマートフォンにQWERTYキーボードは必要なのか
Posted by yoosee on Gadget at 2006-07-05 23:42 JST1 W-ZERO3[es] に QWERTY キーボードは必要だったのか
es に関し、幾つかの記事や blog で「QWERTYキーボードは無くても良かったから更に薄く or バッテリーを大きくして欲しかった」と言う主張を見掛けた。個人的にはそのまま同感するものなのだが、現実には難しかったのではないかと思う。と言うのも es の場合、W-ZERO3 のようなあからさまな「PDAの延長線上」にあるスマートフォンではなく、携帯電話のフォームファクタをある程度模している。ここでQWERTYキーボードを外すと、携帯電話とのハードウェア的な優位点はタッチパネル液晶を除き、ほぼ無くなってしまう。これは差別化と言う意味ではかなり不利だ。
日本市場の場合、携帯電話自体が相当な高機能化を果たしてしまった結果、PDA との線引きが難しくなっている。ソフトウェア面から見た場合
- Web閲覧・メール機能
- PIM (スケジューラ・アドレス帳) 機能
- マルチメディア(音楽・動画)の再生機能
- オフィスファイル(MS Office, PDF)の閲覧
- アプリケーションの実行機能(特にゲーム)
スマートフォンがもう少し一般化し、「ソフトウェア面での拡張性」と言う部分の認知が進んだ後ならばハードウェアでの差別化を強く主張しない端末もリリースされる可能性が高まるのではあるまいか。しかし現時点での日本市場でのスマートフォンには分かりやすい「QWERTYキーボード」と言う記号が必要だったのではないかと言える。
過去にPDAとして売れた経緯があるCLIEフォンならもしかしたら... いや、有り得ない話はしないでおこう。
余談になるが es の場合、USBホストによる「ハードウェアの機能拡張」と言う新しい視点を持ち込んだことを高く評価したい。が、実際には SpringBoard のようにならないかという心配もある。USBと言う一般規格を使っている時点で事情がかなり違うものの、ここが優位に働くかどうかはしばらく推移を見守りたい。