IPv4 アドレスは戦略的に枯渇する

Posted by yoosee on Clip at 2007-06-10 22:00 JST

*1  池田信夫 blog IPアドレスは枯渇していない

池田氏の書いていることは概ね正しいが、現実がそちらの方向に進む可能性は低い気がしている。記事に書かれている通り、米国には未使用のIPアドレスが大量にある。実際、米国で商売をしている企業では IPv6 対応の優先度は(他国市場から要請を受けない限りは)に低い。将来に渡って絶対数の不足が無いという予想には同意できないが、そこはまぁ本筋では無い。
こうした状況の一方で、ICANNの指導にも関わらず現在も余剰アドレスが返還されておらず、故に日本が使うために割り当てられる APNIC 持ち分が2010年にも枯渇する可能性が高い、という話は、現時点では純全とした一方の事実である。

この問題、国ごとの損得の話を抜きには出来ない。オークションでIPv4アドレスを買い取るのも一つの案ではあろうが、日本にしてみれば「IPv4 アドレスに今から金を払って、将来的にも米国中心のインターネット構造に甘んじるくらいなら、それ以上にコストを払っても全世界が自由に使える IPv6 アドレスを普及させた方が理にかなう」と言う考え方は充分に有り得る。IPv6 普及には、IPv4 アドレスの枯渇対応や Internet Protocol の高機能化と言った目的以外にも、次世代のインターネットに関して米国vs.それ以外の国での利害関係をどう考えていくかと言う事情が存在している。また現在の IPv4 保持側も「返却にはコストがかかる」から返していないという面も大きく、オークションをしたからといって需要側が払える値段で出てくると言う保証はどこにもない。

なにより IPv6 は現状「IPv4 が枯渇しないと流行っこない」のであり、IPv6 を普及させたいのであればむしろ「枯渇」を叫ぶのは戦略としても当然と言える。とは言えこれは後付けの理由で、現場レベルで見えているのは「早ければ2010年にIPv4の日本割り当てアドレスが枯渇する」と言う事だけなので、枯渇対応をしなければならないのは必然だというだけの話でもある。

*2  日本の IPv6「対応」は意外に進んでいる

ちなみに池田氏の記事にも誤解があるようなので書いておくと
またIPv6普及・高度化推進協議会の調べでも、v6を商用サービスで提供するISPは、200社中わずか1社という状態だ。池田信夫 blog IPアドレスは枯渇していない
これは事実誤認だろう。1社というのはあくまで「対象約200社中、返答のあった22社中1社」であり、記事でも IPv6 を提供しているプロバイダは NTTコミュニケーションズ(OCN)、ニフティ、IIJ、KDDI、NTT東西にNTT-ME が挙げられており、これを見れば逆に国内の大規模ISPは殆どが提供済みとも言える。
機器レベルでも、最近導入されるルータならば IPv6 対応は(実装レベルは違えども)ほぼ当然になりつつあるし、バックボーンレベルの対応は機器の経年更新にともなってかなり進んでいる。

また
また、IPv6は「枯渇」の対策にはならない。v6サイトはv4サイトからは見えないので、v6は実際には携帯電話などの(v4から接続する必要のない)ローカルなアドレスとしてしか使えない。池田信夫 blog IPアドレスは枯渇していない
と言うのも全くその通りなのだが、IPv4 アドレス枯渇からの過渡期では、例えば回線サービス(クライアント)側は dual stack ではなく IPv6 アドレスをプライベートアドレスとして使い、IPv4 アドレスへは NAPT を通して通信するモデルでアドレスを節約することになるだろう。
この場合、裏が IPv6 である必要性については、サーバ側が IPv6 対応している場合に NAPT を介さない IPv6 native での通信が出来るので、NAPT の負荷/IPv4アドレス数を節約することが出来るという点は挙げられる。そうして過渡期を経ながらアドレス空間自体の移行を進めていくことになる。

Aterm WR7850S を導入

Posted by yoosee on Gadget at 2006-05-17 23:42 JST

*1  NEC Aterm WR7850S

以前に検討した通り、Aterm WR7850S を購入。ビックカメラ店頭で 14,800円 (10%ポイント還元)。楽天のショップなりのネットで買った方が安かったが、まぁさほど差はない。しかしこんな 802.11a/b/g 同時利用で pppoe スループットもそこそこ出るようなルータがこの程度の値段だというのは隔世の感があるな。

*2  スピード測定は 60Mbps 前後

接続設定は pppoe のアカウント設定のみでとりあえずは動くので簡単。設定するたびに再起動がかかるのはどうかと思うが。有線接続から bspeedtest.jp で測定した結果では、上下とも 60Mbps 前後の速度が出ている。某所サーバとの scp によるファイル転送でも 50Mbps 程度出ているし、なかなか優秀。

*3  DMZ設定

とりあえず DMZ の設定も出来るようなので、公開用サーバはそちらに置く設定にする。パケットフィルタの設定は NetBIOS 程度でほどほどに。この機種は telnet からログインしての操作ができるようなのだが、機能詳細を見てもコマンドラインインターフェイスの機能一覧が見つからない。、何を探せば見つかるんだろうか。

*4  古いNICのマシン

ところで妙に速度が出ないマシンが 1台あって、MTU や RWIN を色々いじってみても改善しないので何故だろうと思って調べていたら、結局 NIC が 10Base-T だったと言うことが判明した。なんと RTL8029 と言う古いチップ。いままでは下り 8Mbps 以下だったから気付かなかった。適当な NIC を買ってきて交換せねば。

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