集団のスケールとコミュニケーションの方法
Posted by yoosee on Web at 2005-08-19 23:42 JST1 服装のルールとmixi
自分の思い付きでなんだが、服装の例え話はそれなりに良い例かもしれない。決まった服装が必要な店や服装が違いすぎると浮く場所と言うのは沢山あって、「その格好じゃ当店には入れません」と言う事も普通にありうる。当然ながら有り得ると言うだけで、これを積極的に肯定する気はないし、普段いないタイプが入ってくることで受ける刺激というものもあるのだがとりあえずさておく。さて、一方でこれは局所的なルール・合意事項であって、例えば天下の往来を歩いている人に服装の文句を付けるのはお門違いだろう。つまりこのルールはある程度閉じた空間でのみ適用できる。
mixi で考えると、コミュニティという単位は前者として扱ってもいいだろう。10,000人を越えるコミュニティの場合は多少微妙かも知れないが、ともあれ前者としておく。しかし mixi と言う 100万人を越える集団に前者のルールを当てはめるのは無理があるように思えるし、制限したいのならば「その格好は法律(規約)違反だよ」と言う明確なルールが必要になってくる。現在の mixi はこれをうまくやれていない感じで、「あいつの格好ムカつく」と周りの数人が警官(管理者)に通知しただけで無法に逮捕(強制退会)している印象を受ける。
2 空気を読める状況と読めない状況
この事を mixi でのやり取りに当てはめて考えると、日下部さんを受け入れられる人と受け入れられない人がいるという状況は、場のスケールや状況によってコミュニケーションの方法論が2通りあるからじゃなかろうか。服装の例で上げた前者のように「相手の反応がすぐに見える」「よく知っている相手しかいない」狭い集団の空間では、その集団でうまくやるために「空気を読む」ことが必要で、これは社会生活を送っていれば各々の属するコミュニティで普通に使うテクニックになる。これはある種の馴れ合いのための方法論だが、小さい集団を円滑に回す(楽しくやる)ためには有効だろう。
一方でインターネットのような不特定多数の人間同士がコミュニケーションをとる状況では、読むべき「空気」自体が定まらない。特定数名の反応は実際には集団の反応を代表していないし、自分の想定外の思考パターンを持つ人もいるわけで、全員に不快感を与えないメソッドなんて無いといってもいい(もちろん努力することは否定しない)。
恐らく前者の常識を持っている人は大多数だが、後者の常識を持っている人は比較的少ないのだろう。何故ならば前者は日常生活で普通に使うスキルだが、後者は「匿名の不特定多数に対して発言する」と言うシーンで経験を積まないと分からないものだからだ。
そんなわけで、日下部さんに限らずこうした意思疏通の齟齬的な現象は集団が大きくなるほど発生し得るものじゃないかと思われる。それに対する対処が「異端者の強制的排除」と言うのはあまり賢いやり方だとは思えないが、コミュニティレベルでは必要な場合もあるかも知れない。しかし必要だとしてもやり方はもう少し考えたほうがいいんじゃなかろうか。
後者 = 規制に明確なルール(法律・規約)が必要な場所、例えば街の道路上。mixi の場合は mixi 全体。
のつもりで書いています。