*1  ITmedia +D LifeStyle:「1世代コピー9th」では誰も幸せになれない (1/3)

以前スラドに コピーワンスは、コピーナインスに が載ったときにも回数が増えりゃいいというものじゃないぞと思ったが、こうして記事として読むと改めてそう思う。
孫コピー不可、直接コピーしかできないという意味を、よく考えてみてほしい。これはiPodや携帯電話を、レコーダーに直接つないでコピーせよ、ということである。ITmedia +D LifeStyle:「1世代コピー9th」では誰も幸せになれない (1/3)
そうそう、それそれ。つまり視聴者の自由がメーカーの努力如何のみにかかってくることになる。自由度の高い PC へのコピーなどはもちろん不可能ないし厳しい制限を受けることになる。

正直に個人的な都合と感想を書けば、テレビなぞ使いづらくなったら見ないだけだと思うので割とどうでもいい。今や携帯電話やネットやゲームなど、可処分時間の使い先として多彩なライバルを持つテレビが、今以上に厳しい縛りをお客さんであるユーザに課してなお、この先果して生き残っていけるつもりだろうか、という辺りはむしろ興味深い。完全な代替になるものが無い以上は無くなりはしないだろうとは思うが、数ある娯楽の中で one of them になる可能性も高くなるんじゃなかろうか。

Winny裁判判決についての所感

Posted by yoosee on News at 2006-12-15 23:42 JST

*1  「ウィニー」裁判、判決要旨 - asahi.com

ウィニーを開発した金子氏に150万円の有罪判決が下った。 この判決をざっと読むと、「技術に罪は無い」としつつも「犯罪に使われていることが明白(と裁判官は判断している)な状況で開発を続けたこと」に対して罰金刑を課すと言う形になっている。

正直言ってこの判決自体にはさほど違和感を覚えないし、社会的影響を考えた上では「ああ罰金刑でしかも150万円程度で収まったか、裁判官も考えてるな」と思ったには思った。恐らくソフトウェアエンジニア以外の人にはむしろ軽いと思える判決かもしれない。

ただ一方、日本はソフトウェア産業が本当に育っていない国であり、そこを強化しようという国策が発せられている国でもある。その観点から見ると、この判決はソフトウェアエンジニアの、それも世界に通用するものを作れるレベルの人たちに「ソフトを作るときには社会的影響を考えないと逮捕される可能性があるよ」と警告を発する物になっている。

当然これは(実際の逮捕の可能性が殆ど無いにしても)開発者のモチベーションを著しく削ぐものだ。そうしたエンジニアは「なんか面白いものを作りたい(その後の始末なんてシラネ)」と言うものがモチベーションの根幹にあろう事を考えると、これが開発を投げ出す致命傷になる可能性もある。

正直言って「日本版情報大航海プロジェクト」云々に百億つぎ込むくらいなら、金子氏のために精鋭弁護団を(もちろん今の弁護団の能力が足りないと言う話では無いが)組んだ方がよほど国益にかなったのではないかと思う。

もちろん今回の判決は「現行法」のなかでの解釈なので、今後に関してはこうした問題が起こらないような法整備をすることで国益に叶う体制を作れる可能性はある。とは言え日本政府がこの手の話に首を突っこんでロクな事になった試しが無いという過去を考えれば望み薄な気もしてしまう。

ちなみに Winny はその匿名性を守るという観点からソースコードが公開されないまま金子氏1人によって開発されたのだが、もし仮にこれがオープンソースで複数の(おそらくは匿名を含む)人間が開発に携わるモデルならばどうなったのだろう。全員が逮捕されるのか、特定のコードを書いた人だけが問題なのか、それともプロジェクトリーダーがまとめて責任をかぶるのか。まして開発者が日本に限らない場合はどうするのだろう。 もちろん今回の判決はそこまで考えたものではないのだろうが。

*1  ITmedia News:著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱 (1/3)

何ヶ所かに書いているけど、個人的には
標準では死後30年、以降 5年ごとに権利相続者による有料の延長申請が必要。最大70年まで。
とするのはどうかと思っている。大部分の著作物は死後まで待たずとも出版後数年で金銭収入的価値が薄れるものであって、逆に「権利者に連絡がつかないから再販が出来ない」と言うケースだって少なくないと聞く。どうせ「死後70年」も資産価値が残る著作物なんて極一部なのだから、そういう物は収益を得る人が責任をもって申請すればいい。

ポイントは「標準の保護期間を短期間にする」こと。これを逆に「標準を長期間に、申請で短期間化が可能」なんてことにしたらそんな制度は殆ど使われないだろう。更新料はさほど高くなくてもいいし、延長申請を忘れた場合の猶予期間があってもいい。

それにしてもこの記事での議論、文字だけ見ると松本零士の意見がいちいち痛いのがちょっと泣ける。

*1  Boing Boing: Infographic: Disney wants infinite copyright

Mickey Infinite Copyright Goodger 日本でも スラッシュドット ジャパン | 16団体から、著作権保護期間「死後70年」を求める共同声明 等というニュースが出ているが、著作権延長と言えばなんといっても米ディズニー、それもミッキーマウスだろう。と言うことで Mickey Infinite Copyright Goodger と言うアイコンがあまりに出来がいいのでちょっと紹介。

そもそも「死後70年間の保護」と言うのは、一体誰のためなのだろう? 当人は(死後なのだから)当然として、配偶者も子供も死んでいる年月だと思うのだけど…。70年間保護が通るにしても、せめて例えば死後30年以降は申請制にして、申請が無いものは著作権消滅という扱いにならないものか。

*1  Engadgetインタビュー:WindowsのDRMを破ったクラッカーViodentia - Engadget Japanese

インタビューの中の DRM に関してのコメントが示唆に溢れていて感動したのでちょっと長いが引用
今後のDRM設計への提案はシンプルだ:脆弱なクライアントサイド復号に頼らないこと。代わりにデジタル署名を使ったライセンスの公開規格を作り、非営利の第三者機関によるPKIを用意した上で、この規格に従わないプログラムに社会的・法的なプレッシャーをかけることだ。

また、システムをちょっとした手間で回避する手段があっても許容すること。回避手段があったとしても、制限そのものが煩わしくない限り、ほとんどの人はわざわざ手間を掛けない。Window Mediaファイルが多くの環境で再生できて、ライセンス条件がしっかりと伝わっていれば、FairUse4WMのようなプログラムが出てくる余地はほとんどないはずだ。Engadgetインタビュー:WindowsのDRMを破ったクラッカーViodentia - Engadget Japanese
バランスがとれた意見だ。個人的にも、人が DRM を破るために積極的労力を払う一番の動機は「それが使いにくいから」だと思う。

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