*1  ICチップ付きクレジットカードで使い勝手が下がったことあれこれ


Photo by robotson
最近、大手都銀のキャッシュカード・クレジットカードは ICチップを搭載して、カードの認証強度を上げているものが多い。これ自体は歓迎すべきことなんだが、困ったことに現時点ではまだICチップに対応していないATMが少なくない。何が困るかって、ATMのICカード対応状況によって、利用者が利用方法を変える必要がある事だ。

例えばみずほ銀行の場合は、利用者が明示的にICチップ対応ATMと非対応ATMでカード挿入方向を逆にする必要がある。これを間違うと、例えば非対応ATMでICチップ方向に挿入してしまうと「このATMはICチップに対応していません」とエラーを吐かれ、最初からやり直しになってしまう。

ATMがICカード対応かどうかはパッと見では分からず、ATMのまわりをよく探すと右上の隅の方に「ICチップ対応ATM」と書いてあったりするが、そもそも「非対応」の表示は無い事が殆ど。また入り口で「ICチップ対応」をうたうATMコーナーでも、10台並んでいるうちの5台だけが対応していたりと、分かりにくいことこの上ない。

本来であれば挿入方向は1つに統一した上でATM側でよろしくやってくれればいいのだが、それがコストなどの面で難しいのなら、せめてカード挿入口のすぐ上に「ICカード対応・非対応」シールでも貼るべきじゃなかろうか。これだけで失敗することはまず無くなるんだから。

更にもう一点挙げると、クレジットカード一体型キャッシュカードを使っている場合、カード挿入後に「キャッシュカードの利用」「クレジットカードの利用」を選択させられてしまい、一瞬どっちがどっちだったかと戸惑ってしまう。何かしら言葉を変えるか、さもなくばATM利用なんてキャッシュカードの場合が殆どなのだろうからキャッシュカードの選択肢ボタンをクレジットカードより大きく表示して欲しい。

新しいものを導入して利用者の利便性を下げてしまうのは避けて欲しいものだが、それが万が一コストやシステム切り替えなどの都合で避けられないにしても、出来る限りの利便性向上策は考えていただきたい。それともこんなので困ってるのは私くらいなんだろうか。

*1  キャズムを超えろ! - 家電メーカーよ、今すぐその時代遅れのUIから脱却せよ

折角画面があるんだから「リモコンは見ずに操作できます」を売りにすべきなのだ。リモコンは見ずに画面だけ見ていれば操作できる数までボタン数を絞り、如何に軽快に画面側のGUIを描画・選択できるかを突き詰めていってほしいものである。キャズムを超えろ! - 家電メーカーよ、今すぐその時代遅れのUIから脱却せよ
そうそう。パソコンのボタン(キー)が多すぎてとっつきにくいという話を家電メーカーは理解しているはずなのに、何故か家電であるテレビやDVDレコーダのリモコンは相変わらずキーだらけなのだ。

キャズムを越えろ! が書くようなカーソルキーのみの操作にするのもいいが、個人的にはせっかく番組表があるんだから、番組を直接ポインターできるような Wii リモコン型であるべきだと思う。チャンネル切り替えもあれだよ、ボタン押すと全チャンネルの「現在放送中の番組一覧」が出て、見たい番組にあわせてポチッと押す。ザッピングがしたいならチャンネルボタンを押しながらリモコンを左右に振る。これでどうよ。

日本人のUIに対する考え方

Posted by yoosee on Clip at 2006-10-28 23:42 JST

*1  法務だけど理系女子の綴るblog: なぜ、日本人はUIにお金を払わないの?

Mac の数がのびないのは単純に、特にビジネスで使われる Windows との互換性の問題が大きいだろうと言うのはさておき。
でも、日本でUIの素晴らしさを評価する人を私はあまり聞いたことがありません。法務だけど理系女子の綴るblog: なぜ、日本人はUIにお金を払わないの?
日本人の場合、「UI に金をかけない」のでは無く「UI を専業者のプロフェッショナルな仕事と思っていない」場合が多いというのが原因だろう。また「商品におけるUIの価値」と言う視点では、そもそも UI 設計に大金を出す人自体が少ないのは不思議では無い。ユーザによる UI の評価は概ね「購入後」に発生するため、購入前の段階では魅力になり難いからだ。
Web の世界ではこの事情が大きく違うため UI デザインが大きな力を持つはずで、そこに注力している企業も今どきなら少なくは無いだろうが、とは言え常に充分な予算が出るというのなら Jakob Nielsen博士 は毎回あんなに愚痴らないに違いない。

ところで UI のデザイン指針を「ユーザの行動を想定して全て作りこむ」と「ユーザの行動はこうあるべきという規範を作って残りを切り捨てる」という 2 つに分けてみると、日本の場合、前者については「過剰なまでの接客業文化」を根本に持つため、かなりの情熱が注がれていると思う。そうした意味では UI にコストをかけるカルチャーは日本にも存在している。ただそれは個々人の主観によってユーザの行動をあれもこれもと想像したものになりがちで、結局「なんでも出来るが故に思ったことが出来ない」という状態になりがちなのが不幸なところだろう。
本来はそうして枝を十分生やしたものに対し、枝を刈り込むという後者の作業が必要になる。これは基本的にルールと現実のデータに基づいた「プロの技」なのだけど、これをきっちりやって製品を仕上げている企業はあまり無いんじゃなかろうか。

Webの世界だとこうした刈り込み的作業のやり方もそれなりに一般化してきていて、例えばWebページの配置パターンをランダムに様々変えながら、ユーザの行動や最終ページへの到達率がどう変わるかといった調査を行ったりしている。Amazon あたりもこうした調査をたまにやっているようだ。こうした手法もやってみると色々とノウハウがあって面白いのだが blog の余白が足りなくなったので詳しい内容は省略する。

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