日本人のUIに対する考え方

Posted by yoosee on Clip at 2006-10-28 23:42 JST

*1  法務だけど理系女子の綴るblog: なぜ、日本人はUIにお金を払わないの?

Mac の数がのびないのは単純に、特にビジネスで使われる Windows との互換性の問題が大きいだろうと言うのはさておき。
でも、日本でUIの素晴らしさを評価する人を私はあまり聞いたことがありません。法務だけど理系女子の綴るblog: なぜ、日本人はUIにお金を払わないの?

日本人の場合、「UI に金をかけない」のでは無く「UI を専業者のプロフェッショナルな仕事と思っていない」場合が多いというのが原因だろう。また「商品におけるUIの価値」と言う視点では、そもそも UI 設計に大金を出す人自体が少ないのは不思議では無い。ユーザによる UI の評価は概ね「購入後」に発生するため、購入前の段階では魅力になり難いからだ。
Web の世界ではこの事情が大きく違うため UI デザインが大きな力を持つはずで、そこに注力している企業も今どきなら少なくは無いだろうが、とは言え常に充分な予算が出るというのなら Jakob Nielsen博士 は毎回あんなに愚痴らないに違いない。

ところで UI のデザイン指針を「ユーザの行動を想定して全て作りこむ」と「ユーザの行動はこうあるべきという規範を作って残りを切り捨てる」という 2 つに分けてみると、日本の場合、前者については「過剰なまでの接客業文化」を根本に持つため、かなりの情熱が注がれていると思う。そうした意味では UI にコストをかけるカルチャーは日本にも存在している。ただそれは個々人の主観によってユーザの行動をあれもこれもと想像したものになりがちで、結局「なんでも出来るが故に思ったことが出来ない」という状態になりがちなのが不幸なところだろう。
本来はそうして枝を十分生やしたものに対し、枝を刈り込むという後者の作業が必要になる。これは基本的にルールと現実のデータに基づいた「プロの技」なのだけど、これをきっちりやって製品を仕上げている企業はあまり無いんじゃなかろうか。

Webの世界だとこうした刈り込み的作業のやり方もそれなりに一般化してきていて、例えばWebページの配置パターンをランダムに様々変えながら、ユーザの行動や最終ページへの到達率がどう変わるかといった調査を行ったりしている。Amazon あたりもこうした調査をたまにやっているようだ。こうした手法もやってみると色々とノウハウがあって面白いのだが blog の余白が足りなくなったので詳しい内容は省略する。

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