自宅にサーバを立てることについて
Posted by yoosee on Web at 2004-11-05 23:42 JST1 「サーバ」に対する誤った認識
ビジネスでサーバを扱う人間の端くれとして、内容に何の異論もない。それでも個人的には「自宅でサーバ立てるのは楽しいよ」とだけ言っておきたい。自宅にせよなんにせよ、自分で root 持ってインターネットに繋がってるサーバを自由にいじりつつ管理するのは確かに大変だけどその分の楽しみというのもあるから。ただ、立てるだけだと三日坊主になる(そうして放置されるのがもっとも質が悪い)ので、自分の情報生活インフラなり友達やコミュニティ向けのサービスを自サーバ運用する。サービスダウンが自分や周りにクリティカルな不利益になるので、頑張って運用せざるを得なくなる。運用やトラブルから学ぶ事は非常に多いので、情報処理技術者として勉強したいならばもってこいだと思う。
一方で「サーバを立てる事」をあまり気軽に考えている人には、サーバ運用にはこのレベルの苦労はあるんだよ、と言うことは認識して貰った方がいい。また、メールや DNS のように他者との連携を必要とするサービスは最低限セカンダリを置く。知り合いで持ち合いをしたり、DNS や SMTP だけ、どこかに委託する手もある。その程度の見定めも出来ないうちはあまり手を出さない方がいいというのも正直なところかも。
2 自分の意見のまとめ
サーバを構築・運用する事自体が趣味・実益で、ちゃんと手間・時間・お金などのコストをかけてやれるなら自宅サーバの自由度と経験値向上効果は良いもの。単に独自ドメインを使いたいとか凝った CGI を動かしたいとか安上がりに済ませたいとか言うのが目的なら、今なら安いホスティングサービスも沢山あるし、そっちの方がトータルの時間や手間や金は安いはず。
特に中小企業などでビジネスユースの場合は片手間にせず、素直にホスティングサービス使ってください。管理に熟練していたとしても、データセンタレベルの設備じゃないと達成できないサービスレベルというのも現実問題としてあります。
3 余談そのいち
もう昔話なんだろうけど、昔はこうやって自宅に OCNエコノミー引いたり大学の回線使ったりして自サーバ建てて運用しながら成長した人も少なくなかったわけで、トラブって迷惑かけて詳しい人がコメントしてくれたりとか、ありがたいもんでしたね。周囲環境が全然違うので「脆弱性即地獄送り」な今では通用しない理屈かも知れないけどね。4 余談そのに
恒常的にインターネットに直接晒されるサーバを立てるなら、個人的には Debian がお勧め。理由はセキュリティアップデートがある程度早く出るし、かつほぼ自動で更新することができるから。人間、面倒なことは長続きしないもんです。もちろんそうした仕組みがある別の OS / Distribution でもいいですけど、「最初の手間」より「日常の手間」が軽いことを基準に選んだ方がいいです。5 余談そのさん
このサーバも実は友達の家に置かせて貰い、warm hand が必要なこと以外は全てリモートから自前で管理・運用しているものです。何か新しい技術を見つけたときに、さっと入れて実サービスとして試せる環境は物凄く役に立ってます。一応別所にほぼ同一環境のテストベンチサーバを持っていて、外に出す前にはそこで軽い試験はしたりしてますけどね。近々その友達の家からサーバを引き上げないといけないことになったので、持って行き先を検討中と言う昨今であります。