Pukiwiki.org の失効と Redemption Grace Period
Posted by yoosee on Web at 2005-09-06 23:42 JST1 Pukiwiki.org が for Sale ドメインになってしまった事について
どうも Pukiwiki.org が失効したタイミングでドメイン売り業者に取られてしまったようだ。現在は for Sale になっており、日本語サイトは pukiwiki.jp で運営されている。その影響か知らないが、Google でも Pukiwiki.org は INDEX されていないようである。pukiwiki.org がどう登録されてどう申請してどうなったかという顛末は知らないので、以下は一般論的に書いてみる。ちなみに旧 pukiwiki.org のレジストラは GMO だったという話だが、これも正確には知らない。2 ドメイン失効期日と買い戻し猶予期間 (RGP; Redemption Grace Period)
ドメインが更新期日を過ぎた場合、現在の gTLD では Domain Redemption Grace Period と言う 30日間の猶予期間を設けることになった。元々の(失効前の)ドメイン保持者はドメイン失効期日から30日間、レジストラを通じてドメインの買い戻しが可能になる。失効日の時点で WHOIS 情報は削除され、DNS を通じた名前解決は出来なくなるが、ドメインを買い戻した時点で WHOIS に再登録されて使えるようになる。これはレジストラが保持する期間内のサービスなため、レジストラによっては「そんなサービスはしとらんよ」と言ってくる可能性も否定できないが、最近ならば大抵は対応してくれるのではなかろうか。以上については JPNIC のドキュメントに詳しい。
そもそものドメイン失効原因は登録者のうっかりミスであることが多いのだが、WHOIS DB からは失効日に情報が無くなるため、レジストラからの更新連絡に気付かずに失効日を越えてしまった人でも DNS が引けなくなる事で「ん? なんかおかしい」と気付くことが出来る。そうした意味では親切なやり方と言えるが、レジストラによってはこうした方法をあくまでイレギュラーとして扱う(表メニューにない)場合もあるので、この方法自体を知らない人はいるかもしれない。
3 取得予約
対してドメイン保持者ではない場合は、レジストラのサービスで「予約」が出来る場合が多い。これはドメインの RGP 猶予期間後に完全失効した瞬間を狙ってそのドメインを取得するためのサービスになる。但しこれに関しては予約申請者は単なる一申請者に過ぎないため、gTLD では基本的に早い者勝ちの原則が適用される。そしてこの早い者勝ちは大抵の場合、ドメイン売買で商売している企業の機械的な作業には勝てない。なので人気のあるドメインの場合、レジストラで取得予約したり取扱い開始日に急いで登録しても大抵は間に合わない。4 Pukiwiki.org の場合の想像
以上を踏まえて Pukiwiki.org のケースを見てみると、フォーラムのトピック「PukiWiki.org のアクセス状況について (DNSの問題に関する状況)」に気になる記載がある。とあるが、前述の通り、RGP の期間内であっても元登録者であれば再申請が可能であり、その場合には申請から 1日以内には WHOIS 情報も更新されて DNS が使えるようになるはずだ。しかしここでは 30日間のペナルティとあり、これはペナルティではなく RGP 明けまで待てと言う指示、つまり元ドメイン保持者としてではなく一般の新規取得希望者として取得するように読める。その結果、ドメイン売買業者に取られてしまったのではなかろうか。以上は私の想像だが、この辺りが今回の事情じゃないかと思う。こうなるともう for Sale している企業から買い戻すか、レジストラにゴネるか、さもなくば諦めるしかないかもしれない。契約未更新のために30日のペナルティが課せられる様で、問題の根本的な解決は 9月中旬ごろになる見通しです。
5 今回のまとめと追記
- ドメインは失効期限の最低1ヶ月前には更新すること(心配なら100年契約でもしておく)
- レジストラからの連絡先アドレスは不達にならないよう気をつけること
- レジストラが倒産した場合は移管先を必ず確認し、登録情報の再設定などをすること
- 万が一失効しても、買い戻し猶予期間(RGP)があることを覚えておくこと
- 失効したらレジストラのサポートに直接問い合わせて復旧を計ること(「予約」とは違うことを念頭に置く)