ACCESS の ALP @ Linux World SF

Posted by yoosee on Palm at 2006-08-22 23:42 JST

*1  Palminfocenter - Access linux platform at LinuxWorld SF

PalmSource を買収した ACCESS が発表した ALP (ACCESS Linux Platform) だが、SF にて開催された LinuxWorld で実機 (Haier N60 flip-phones) による ALP 動作デモが行われたようだ。また Linux Desktop 上のエミュレータ (UML 上で ARMをエミュレーション) でも動作している。デモでは PalmOS Garnet や GTK native なアプリの他にも MAX フレームワークでの PIM アプリ等も実働していたようで、以前のリリースプランでの2006年末に向けての開発は今のところ順調に見える。現時点での ALP についての情報(記事からの抜粋)を以下に挙げる。

*2  PalmOSエミュレーション

PalmOS Garnet (OS5.x) アプリはエミュレーションとして動作するが、動作再現性は高いようだ。ブースでは Compatibility Station にて Palmware の互換性確認が可能で、「(記事の)筆者と他2人のデベロッパが試したアプリは全て問題なく動作した」としている。Bejeweled!2 でも問題なく動いているので、速度的な問題は小さそうだ。

気になるのは「PalmOS Garnet アプリの起動時には Palm のロゴマークが1,2秒間表示された」という話。アプリ起動に時間がかかってしまっては PalmOS の魅力半減なので、ここは改善されることを期待したい。
また QVGA(240x320)機の場合、下の 240x80 の領域が利用されていなかったようだ。T|T3やTX のように DIA として利用できるのかは現状不明としている。

*3  アプリケーションランチャ

ランチャは現状の PalmOS に類似(1画面に 9個のアプリアイコン)するかたちで提供されている。もちろんこれは標準ランチャなので、3rd party のものも使えるのだろう。どのアプリ(MAX,PalmOS5,Java,GTK+)も同じ画面上にアイコンが表示されるのは、シームレスな利用という点で好ましい。

また(MAXアプリでは?)端末を通して統一的にテーマが適用され、テーマ選択によって配色・フォント・ボタン形状・背景画像が変化するとしている。PalmOS Garnet でも幾つかのシェアウェアを利用すれば実現出来ていることだが、標準機能としてこうした外観の変更があるのはカスタマイズして使うことが主となる PDA/Smartphone では好ましい機能だろう。

*4  MAXアプリケーション

ALP では QVGA や VGA をはじめとした複数の解像度の端末をサポートするため、MAX では Scalable Vector Graphics により解像度が異なる端末でもなめらかに UI を表示する事ができるとしている。当然フォントも Scalable な TrueType などになるだろう。動作速度が多少心配だが。

既に MAX アプリの PIM が動作していたようで、動作は基本的に機敏だが、一瞬待たされる感があるそうだ。まだ OS/Platform が出来たばかりで、上物のアプリに関してはこれからなのだろう。Webブラウザは (ACCESS 故に) NetFront が提供される。特徴として「ブックマークサイトをサムネイル表示可能」と言うものが挙げられていた。個人的には Flash や JavaScript の再現性が気になるところだが。

*5  マルチタスク

ALP で最も PalmOS から大きく変化する部分となる。マルチタスク機能自体は、Linux が基本OSのため、恐らく大きな問題はないだろう。特徴的なのは アプリケーションの標準動作は現行のPalmOSと同じく「他のアプリの起動時に終了」する というもの。この挙動は現状の Windows Mobile 等の先行するマルチタスクPDA用OSとは異なるものになる。もちろんこの場合、アプリが高速に起動することが絶対条件になるだろう。

ソフト開発者は、他のアプリ起動時に自アプリが終了するのかバックグラウンドで継続的に動作するかを個々に決めることができる。これにより PalmOS と同様、余計なリソースが複数アプリで利用され続けられることを防ぐ、としている。バックグラウンドにまわるのは、主に通信アプリ(IMなど)や音楽プレイヤーが想定されているようだ。

バックグラウンドのアプリはポップアップなどのアクションを起こすことが可能なので、常駐させたアプリが「メール受信の通知」を出すと言うことも可能のようだ。バックグラウンドのアプリはステータスバーにアイコンが表示され、そこから DA のような小さなポップアップを出すことが可能としている。例えば音楽プレイヤーの [再生/停止] のツールを呼び出すことなどを想定しているらしい。

*6  その他の特徴

ハードウェアとしては QVGA(240x320) をメインターゲットとするようで、現状の PalmOS デバイス 320x320/480 から交代することになる。OS としては VGA(480x640) 以上もサポートするので、どちらかと言うとハードウェアベンダ側の判断になるだろう。

HotSync は OMA 標準互換となり、インターネット経由の同期や WiFi 経由でのバックアップが可能になっている。

*7  以上を踏まえてのALPについての雑感

2006末の開発ベンダ向けリリースに向けて、思っていたより順調に開発が進んでいるように見える。元々の PalmOS の利点はなんといっても豊富な Palmware と素早い動作だろうから、エミュレーションが問題無く動作しているという報告は朗報だ。またマルチタスクに関しての「新規アプリ起動時に元アプリが終了」と言う標準動作は、限られたりソースを有効に使うのによい戦法に思える。問題はアプリ切り替え時の「起動速度」が PalmOS のように長くても 2,3秒以内に押えられるかどうかだろう。

どちらにしても次の段階は Hardware Developer の動向になる。特に Palm Inc. が Garnet の後を担う世代に何を使うかは大きなポイントになるだろう。私としては Windows Mobile のみと言う状況に流れない事を祈るばかりだが、さてどうなるか。

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