邪魅の雫 / 京極夏彦
Posted by yoosee on Review at 2006-09-30 23:42 JST1 「邪魅の雫 / 京極夏彦」 読了
京極堂シリーズとしてはひさしぶりに面白かった。いつもとは趣向も手法も違うので、好みは分かれるかもしれないし、私も最後の京極堂によるいつもの謎解きに物足りなさは感じたが、ストーリーの仕立てはなかなかよく出来ている。ただ今回は主要登場人物があまり活躍しない形になっており、私も木場や榎木津あたりはもっと活躍してもいい気がした(もしかして別の本のストーリーが同時進行中と言う時間設定?)。犯人が途中でうっすら分かるのはまぁ、京極の本って他もそういうの少なくないし、別に犯人探しがテーマでは無いのでいいんじゃなかろうか。
ああそれと、書籍に今回ついてきた「京極夏彦全作品解説書」には、各小説の事件がどういった前後関係や並列で起きていたかが一目で分かる年表が付いていてファンにはちょっとうれしいおまけになっている。しかしなんで京極氏はいつも指あきグローブをしているんだろうか…。
2 読んでおくべき京極堂シリーズ
(87レビュー) (21レビュー) (51レビュー)なお、京極堂シリーズは個人的な好みでは「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「絡新婦の理」と、今回の邪魅くらいを読んでおけばいい気がする。私は他も全部読んでるけど、あえて読まなくてもいいかな... ま、読んだ方が人間関係なんかは分かるようになって楽しめるのでお好みで。しかし塗仏は許せん。