家電店のポイント還元を効率よく使うために知っておくべきたった1つのルール
Posted by yoosee on Misc at 2007-04-08 22:00 JST1 ポイント還元率に関する正しい理解をしよう
店頭で10万円の商品が「還元率10%」と表示されていれば、1割の値引きと考えて購入している人が多いと思いますが、実際は、ポイントを利用して購入していると、上の(B)のように実質5%も還元されていないということが起こります。家電量販店のポイント還元 賢い貯め方 使い方このサイトが単なる勘違いなのか意図的な誘導なのかどうなのかはともかく、世間一般にこういう誤解は少なからずあるようだ。結論から言うと、還元率が同じであれば、ポイントを毎回使っても貯めてから使ってもお得度は一緒になる。
上記サイトの例で考えよう。10万円の家電を 2度買う際に、A. ではポイントを貯め、B. では毎回使う。ポイント還元率はどちらの商品も 10% とする。これを買い物後の最終的な状態で比較しよう。
還元率は A. 22/20 = 1.1, B. 20.9/19 = 1.1 と、同じ 10% になっている。ここで更に、得られた価値と払った金額の差額を考えてみよう。A は 20万円の家電と2万円のポイント(計22万円分)を20万円で手に入れる
B は 20万円の家電と0.9万円のポイント(計20.9万円分)を19万円で手に入れる
得られた価値 | 支払い | 差額 | ||
---|---|---|---|---|
商品 | 残存ポイント | |||
A | 200,000 | 20,000 | 200,000 | +20,000 |
B | 200,000 | 9,000 | 190,000 | +19,000 |
初回の買いものを含めた収支の差額を考える。A は 2万円の家電と0ポイントを 0円で手に入れる
B は 2万円の家電と0.11万ポイントを 1.1万円で手に入れる
得られた価値 | 支払い | 差額 | ||
---|---|---|---|---|
商品 | 残存ポイント | |||
A | 220,000 | 0 | 200,000 | +20,000 |
B | 220,000 | 1,100 | 201,000 | +20,100 |
得られた価値 | 支払い | 差額 | ||
---|---|---|---|---|
商品 | 残存ポイント | |||
A | 221,100 | 110 | 201,100 | +20,110 |
B | 221,100 | 0 | 201,000 | +20,100 |
結論としては、商品とポイントを合計した「得られた還元額」は常に「支払い金額の10%」であり、これは変化しない。つまり「使っても貯めてもお得度は一緒」であることが分かると思う。得られる価値に関してはここまで見てきたとおり、将来の買い物をふくめて考えれば同一とみなせる。
実は厳密に考えれば、1円以下のポイントを切り捨てする場合には貯めた方が有利になるし、切り上げする場合には毎回使った方が有利になる。四捨五入の場合、僅かに毎回使った方が有利だ。とは言えどちらにしても1回あたり1ポイント差の有無であるので通常は無視して構わないだろう。
2 効率良くポイントを貯めるたった1つのルール
ここまで論じてきたケースでは、どの買いものでも還元率は10%固定だった。しかし実際のビックカメラやヨドバシカメラでは、商品によってやセールの時期によって還元率に 10〜20% 程度の幅がある。これを考慮した場合には守るべきルールはひとつ。「還元率が高いときにはポイントを使わず、低いときに使う」これだけだ。例として、1000円(20%還元) と 10000円(10%還元) の 2つの物を買う際に、どちらかを先にかってそのポイントをもう片一方に使うというケースを考えてみる。X では 1000円(20%)を全額現金で先に買ってポイントを次回使い、Y では 10000円(10%)を全額現金で先に買ってポイントを次回使う。X の方がここで挙げているルールに沿った買い物になる。
初回発生ポイント | 次回発生ポイント | 得た価値 | 支払い総額 | 差額 | 還元率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
X | 1000x0.2=200 | (10000-200)x0.1 = 980 | 11980 | 10800 | +1180 | 10.9% |
Y | 10000x0.1=1000 | (1000-1000)x0.2 = 0 | 11000 | 10000 | +1000 | 10.0% |
3 もうひとつの問題: 溜っているポイントは誰のものか
さて前述のように、ポイントは(還元率が同じならば)貯めても毎度使っても変わらない。ここで、考えるポイントをもうひとつ増やしてみよう。手持ちのポイントを自分の資産として考えてみる。これ自体は別におかしな発想ではないだろう。この場合、ある店に2万円分の未使用ポイントを持っている状態は「2万円を無利子でその店に預け入れしている」と同義になる。しかもこのポイントは「その店でしか使えない」「数年後に無効になる(場合がある)」「日本銀行券と比較すれば信頼性が低い(企業倒産のリスクなど)」がある。つまりポイントを貯めるという行為は「リスクは高いけどリターン(利子)は無い貯蓄」と近しい。これを真面目に考慮した場合、先述の還元率の差が無ければ使っても貯めても還元率は一緒なのだから、むしろ毎回使う方がベターだという事になる。
もちろん実際には「貯まったポイントで欲しかったものを無料で手に入れてやった!」と言う快感報酬がある。実際問題として数万ポイント(数万円分)の運用益などたかが知れているということも考慮すれば、貯めるという選択肢が悪いということではない。還元率差を利用するというルールだけを覚えて、あとは好きなように買いものすれば良いだろう。