*1  英語初心者に優しい Google Voice

これから米国生活を始めようとしている人には Google Voice をお勧めしたい。Google Voice は Google が提供する電話のオーバーレイ的なサービスで、米国居住者なら普通に電話がかけられる実際の電話番号を取得し、それを自宅や携帯電話の番号に転送したり PC から VoIP などで利用できる。電話としての機能もいろいろと便利なのだが、特に気に入っているのは留守番電話 (Voicemail) をテキストに起こしてくれる機能 (transcript) である。

英語をそこそこ話せる人でも電話の英語は聞き取り辛いし、Voicemail はさらに不鮮明な録音になっていることも多く、中途半端な英語スキルだと難儀する事も少なくない。それがテキストで概ね読め、Webブラウザやスマートフォンのアプリから再生でき、また過去の留守電を取っておくのもストレス無くできる。特に Voicemail では「これを聞いたら次の電話番号にコールバックして。800-xxx-xxxx」のようなメッセージがよく入っているので、これを text として番号認識してクリックから直接ダイヤルできるのは手間が省けて便利だ。

なお設定で Calls > Enable Recording を ON にしておけば inbound call (かかってきた電話) については通話中に 4 を押すと録音できる。残念ながらこの録音は Transcript してくれないようだし、また outbound call は録音出来ない。通話の録音は州によってか違法なこともあるようなので、デフォルトでは off になっているらしい。

その他に Google Voice になにが出来るのかは、@IT - Google Voice はやっぱりすごかった がよくまとまっている。米国でこれから生活を立ち上げようとしている人であれば、Home Phone を Google Voice の番号にしてしまうのも手だと思う。自宅の番号は各所に登録するとそれなりに公開情報になってしまうため、DoNotCall Registryに登録しても営業電話などがかかってくるのだが、 Global Spam Filtering を ON にしておくとそれなりにブロックできる。知らない番号からの電話は voicemail に回して後から確認し、営業電話なら Block する、といったやり方も出来る。

もちろんこれは機械処理であろうとはいえ、留守電の内容を Google に渡すことを意味するので、気になる人は実際の携帯電話の番号と Google Voice の番号を使い分けるなどしてもいいだろう。また Verizon や AT&T などが提供する有料の Voicemail 拡張機能を使う手もある。私も特に仕事の連絡は Google Voice の番号には流していない。

余談になるが Palm Centro を使っていた時代にはCallRec というアプリを使っていた。これは電話での通話を全て録音してくれるアプリで、電話で話はしたけどどうも内容に自信が無い、みたいな際に結構役立ってくれた。Google Voice では前述の通り incoming は録音可能だが、Google Voice の number を使っていても outbound call は録音出来ないのが残念。Android でも RecordMyCall という同等のソフトがあるが、手元の HTC Incredible では録音を取りこぼしたりなどいまいち動作が不安定で結局今は使っていない。

*1  米国企業と日本企業での「時間」と「効率」に対する認識の違い

日本企業、特にホワイトカラーの生産性の低さが話題になるのをよく目にするが、その根本原因の一つは「残業」ではなかろうか。この夏の東京では節電のために空調を止めるので残業を禁止している企業もあると聞くが、そのまま残業は一律禁止にしたらどうだろうか。

こんな事を思うに至った理由の一つは、残業という概念が希薄な米国から日本と仕事をしている現状を踏まえてのものだ。 米国で管理職相当の仕事をやっていると気づく大きな違いは「部下の時間・リソースは有限である」というシンプルな認識である。つまり残業を前提としない部下は、1人あたり「1週間に8時間 x 5日 = 40時間」しか働いてくれない。良し悪しはともかくとして、自分の手持ちのリソースは有限であるという事実を常に意識させられるのである。

この認識がどのような状況を生むのか。大きく以下のような事が思いつく。

社員の評価が効率性・生産性で計られるようになる

労働時間が決まっているのだから、当然ながら同じ時間内にアウトプットが多い社員が良い評価を受ける。ましてやチームとしての生産性を向上させる社員は管理職には非常にありがたい。効率改善が強いインセンティブとなるため、これが積み重なれば当然、企業としての生産性も上がっていく。

当然ITシステムやオフィス環境などのインフラも効率向上をサポートする方向に強化される。例えば大画面のマルチディスプレイなどというのはIT労働者の労働効率を大きくあげる安価な手段と認識されるし、また業務を効率化するためのツールやシステム導入も積極的に行われる。

またそもそも日本の従業員も、残業を前提に仕事を薄く伸ばしていないだろうか。例えば午後3時くらいに「夜9時で仕事するならまだ6時間あるし...」などと思って息抜きしてたりしないだろうか。トータルでの実労働時間はそれでも恐らく日本の方が長いだろうが、残業を含むオフィスでの長時間を全て労働に使っている人ばかりではないだろう。

管理職・経営層は「やるべき事」だけでなく「やらなくていい事」を決めなくてはいけなくなる

時間・リソースが有限である事が明確な以上、優先度の低い事に時間を費やす余裕はなくなる。日本で仕事をしていて典型的なものとして、上司が「あらゆる可能性を検討して最善の策を提示しろ」と部下に命じるケースがあるが、これは得てしてリソースの無駄遣いであると共に、ビジネスの決断スピードを著しく低下させ、市場についていけ無くなるリスクを生む。

また例えば会議や打ち合わせに部下を出すことは、部下が本来他にやるべき仕事の時間が消費されるため、米国の管理職は結構ためらう事が多い。これは特に Developer などの高給な専門職に対して顕著になる。

上級管理職、例えば米国での Director ポジションの仕事は、正に「やる事」「やらない事」を「判断・指示 (Direction)」することだ。当然そうした判断を下す以上、成功と失敗があり、失敗すれば責任を問われる立場だからこそ上級管理職は高給なのである。

まとめ
  • 残業禁止により、社員の労働時間は明確に有限で計算可能なリソースとなる
  • 時間あたりの生産性・効率性の高さが社員評価の基準になり、その向上が強いインセンティブになる
  • 使えるリソースが有限な以上、管理・経営層はフォーカスを絞ったビジネス戦略を立てて決断する必要が強くなり、結果として市場に対するスピード感が増す
こう単純に事が進むかどうかは難しいところだろうが、今の多くの日本企業が生産性や効率性にフォーカスをあてるには残業禁止くらいの荒治療が必要なのではなかろうか。

*1  Amazon.com のデータ・コンテンツ販売は全般的に好調っぽい

いつものように Amazon.com にアクセスした際にふと左側に表示されるメニューが目に入ったのだが、気がつけばトップカテゴリーの16のうち、7つがオンラインコンテンツになっている。いつの間に、と言う感じである。見てみると今年ラウンチしたサービスが幾つもあるので、ここまで増えたのは最近なんだろうけど。
  • Unlimited Instant Videos は、今年2月から始まった、サブスクリプション型(Amazon Prime連動)のビデオ見放題サービス + 非購読者には個別購入もあり。USだとNetflixと言うサブスクリプション型宅配DVDレンタル業者がオンデマンドの映画見放題は先鞭を付けていて、そちらは今じゃ宅配よりオンライン再生の方が多いとか。
  • MP3 は日本でも去年後半くらいから始まってたと思うけど、DRM無しの mp3 楽曲販売。最近は曲は殆どこれで買っている。米国では新曲も殆ど mp3 で出るし、DRM無しでどこでもなんのデバイスでも聴けるのは、特に非iPod/iPhoneユーザとしては非常に快適で安心。加えて最近これが何度でもダウンロード可能になった。
  • その下にある Cloud Drive はつい2ヶ月程前にラウンチされたサービス。初期無料 5GB から、有料で (ないしアルバム購入時のキャンペーン等で) サイズ拡大できる Dropbox 的なクラウドストレージ。MP3 の横に記載がある Cloud Player と組み合わせると、スマートフォンやPCなど複数のデバイスで音楽をストリーム再生したりダウンロードも出来る。Amazon.com で買った曲は容量がかからないのは先日発表された iCloud とも一緒。つい最近になって Google もクラウド型音楽ストレージをリリースしている。
  • Kindle は言わずと知れた電子書籍。先日にはKindleの書籍売上が紙での販売を上回ったと言うニュースも出ていて絶好調。電子ペーパーのデバイスも広告配信ありで $114 が出たこともあり、最近は街中、スタバ辺りでも読んでる人をよく見かけるようになった。もちろんPCやスマートフォンでも読めるし、既読情報やメモも同期される。Kindleでの書籍購入の快適さは過去記事を参照。
  • Appstore for Android はその名の通り Android Market の Amazon 版。これも今年3月リリース。正直これって儲かるモデルなのかなと思いつつも、リリース以降ずっと1日1有料アプリを無料提供しているのでなんだかんだでアクセスはしてる (正確にはTaskerで1日1回定時に自動起動してる)。
  • Digital Games & Software は、PC と Mac 向けのソフトウェア販売みたい。これは使ったことが無いけど、かなりいろんなソフトがダウンロードで買えるようだ。
  • 最後のAudibleはいわゆるオーディオブック。米国では車の運転があるからか読み書きに難がある人のニーズなのか、オーディオブックの需要は結構高いみたいで、Kindleには無料でテキストの読み上げ機能もあるけどそれでも個別のオーディオブックは売れてるらしい。Audible.com はその最大手だったけど、2008年前半にAmazonに買収されて今に至る。
全般的にありがたいのは、デジタルコンテンツはAmazon.com内ではアカウント紐付けで管理できて、再ダウンロードも可能なものが殆どな事 (MP3は最近の Cloud Drive リリース時に対応された)。コンピュータが壊れようがスマートフォンやKindleデバイスを失くそうが買ったものが無くならないというのは精神的にいいし、あるべき姿だ。

また上記のサービスの殆どがスマートフォン、特にAndroid対応している。PCだけじゃなくスマートフォンでどこにでも持ち出せるようになったというのも、これらのサービスをAmazon.comが気合を入れて出してきたことの大きな背景だろう。

あと当然こうしたサービスを支えているのはAWSのクラウドインフラなのだろうし、そうした部分を戦略的に突き進めるAmazon.comのビジネスは本当に恐ろしいくらい。

アメリカでこの手のオンラインが流行るのは、一つには国土が広くて物流のコストがバカにならないし時間もかかるというのがあるんだろうけど、とはいえ日本でももう少しこう言う事が広く出来るようになるといいのにな、とは思ってしまう。特に日本国外にいる身としては、海外からも買えれば最高なんだよなあ。

*1  米国と日本の祝日・休日の違い

例によって Tumblr より、 日本の休暇は米国より多いという話が出ていたのでこっちでフォローアップ。端的にはそれは概ね正しいと思うが、詳細はあまり合ってない。

まず、米国の2011年の National Holiday はこんな感じで10+1日間。
  • 1月1日(代休12月31日) New Year's Day
  • 1月17日 Martin Luther King Jr. Day
  • 2月21日 Presidents' Day
  • 5月30日 Memorial Day
  • 7月4日 Independence Day
  • 9月5日 Labor Day
  • 10月10日 Columbus Day
  • 11月11日 Veterans Day
  • 11月24日 Thanksgiving Day
  • (11月25日 Day after Thanksgiving)
  • 12月24日(代休12月26日) Christmas Day
米国の祝日は企業によって休みでないものもあり、例えば上記でも Columbus Day と Veterans Day は少なくとも弊社は休みではない(ので弊社のHolidayは9日間)。Martin Luther King Jr. Day が休みじゃないところも最近まで結構あったようだ。正月も今年は3日(月曜日)から出てきて働いている。Day after Thanksgiving は National Holiday ではないが、いわゆる Black Friday でもあり、小売店以外は休みの企業が多いはず。

米国は有給(paid vacation days)は大体年間10日程度なので、祝日と足しても年間20日程度である。一応それとは別に病気休暇(paid sick days)が7,8日あるから、足すといわゆる有休 (Paid) は 20日間弱にはなる。sick daysは必ずしも全員が全部取るわけでもないが、定期的に金曜日に病気になる奴とかもいないことはない。

日本は祝日15日 (プラスで「国民の休日」有り)であり、これは先進国最多だそうだ。更にこれに加え、年末年始は1週間近く休みの企業も多いし、お盆休みも有給とは別途割り当てられるところもあるから、年休を入れない休暇だけでも祝日と足して年間20日程度あるところも多いだろう。これに年休を加えたら、日本の休暇は決して少ないものではない... まあ土日も働いている人もいるだろうけど。

ちなみにこれらの休みは基本的に会社全員休みなので、米国から見てると日本はほぼ毎月数度、加えて春(GW)、夏(お盆)、冬(年末年始)とシーズナルに企業の仕事が全く止まる期間があるという、ちょっと不思議な国に見える。

*2  米国での祝日、休暇の取りかた

米国の祝日は日本とは違い、百貨店やスーパーなども概ね閉店する。レストランなども休むところも結構多いので、下手に買い物を忘れると非常に切ない祝日を過ごすことになったりもする。まあ普段から日曜日も午前中は開いていない店が多かったりもするので(これは教会の関係だが)、店が閉まっている事には結構すぐ慣れる。

11月の Thanksgiving は日本のお盆休み的な感じで、実家に帰る人も多い。またこの Thanksgiving から Christmas までの間に休みを入れる人も多いため、米国の仕事はこの期間、かなりスローダウンする事が多い。 一方で Christmas が終わると New Year は盛り上がらず (そもそも大体が Merry Christmas and Happy New Year とか一緒くたにされる)、通常業務モードになっている人も少なくない。

上記期間に限らず1週間程度の休みを取る人もそれなりにいるが、なにせ年休も少ないので、実は日本の人が思うほど米国の人は長期休暇を取りまくってるわけでもない。と言うことなので、いやほんと、もう少し休ませてください...

*1  USのヤードポンド法とその他の単位系

Tumblr で これを覚えないとアメリカに住めません。 という記事が回ってきて、いやいや流石にこんなに覚えなくてもいいよ、と思った事もあり、2年半住んで実際に使う単位を並べてみた。 日常生活なら以下があれば事足りると思う。
  • 温度: ファーレンハイト(華氏/F)
  • 長さ: インチ(in)、フィート(ft)、マイル(ml)
  • 面積: 平方(スクウェア)フィート(sq ft)
  • 重量: オンス(oz)、ポンド(lb)
  • 容積: ガロン(gal)、カップ(cup)
この中でも特に F, ml, gal, lb は日常的に、in, ft, oz はそれに準じて目にする。 以下、こうした単位をどうやったら日本人の使う単位系に換算できるかも書いておく。

ファーレンハイト(F)
いわゆる華氏。70F のように表示する。 摂氏への換算は、50Fが10℃であることと、±18Fで±10℃の変動だということを覚えておくと計算が容易だ。つまり 68F = 20℃、32F = 0℃のようになる。
更に大雑把には、生活気温帯なら華氏から 30 を引いて 2 で割るとおおよそ摂氏になる。上記で言うと 68F → (68-30)/2 = 19℃ で、概ねだが合う。オーブンなど高い温度では単純に F は C の約2倍になる。

長く住めば次第にFの数字そのままで、「今日は80Fだから暑いなあ」「50Fを切るのか、ちょっと寒いかな」と体感温度と一致してくるものでもある。
インチ (1 in = 2.54cm)
これは概ね 1インチが 2.5cm だと覚える。アメリカにいると 1/4 (Quoter) 単位はよく使うので、10cm の 1/4 と覚えてもいいかもしれない。サイズ等の換算の際にはより正確に 2.54cm まで使った方が無難だろう。
フィート (1 ft = 30.48cm)
これも概ね 1フィートが30cmだと覚えておく。 身長と関連して出てくることが多いので、6 feet = 180cm を越えたら高い、と言う感覚があると何かと重宝する。
なお 1 ft = 12 in. と10進法では無いことに注意。身長を換算したりする際には、例えば 170cm = 170 / 2.54 = 66.93 in = (5 x 12) + 6.93 ~ 5 ft 7 in と言う具合に計算される。
マイル (1 ml = 1.61km)
これも覚えるしかないが、1マイルが1.6kmに相当する。kmへの換算は概算ならマイルの数字を1.5倍して気持ち足すくらいでいい。
地図上の単位や自動車の速度メーターはほぼ全てマイル表示なので、米国に入って最初に目にする単位系かもしれない。
平方フィート (1 sq ft = 0.093m2)
住居の面積や、ニュースで例えば火災の被害面積なんて話題だとこれをよく使う。フィートの2乗とかややこしい事になりそうだが、幸い sq ft の数字を10で割ると大体平方メートルの値になる。つまり 2000sq ft → 200m2 程度で、実際に計算すると 186m2 だから、まあまあの精度になる。
ポンド (1 lb = 453g)
1ポンドは大体500g弱だと思っておけば事足りる。スーパーの量り売りは大体このポンド単位になっている。なおポンド(pound) は単位表示として lb と記する。これは重さを量るときに libra (天秤) を使っていたことに由来するとか。
1/4 Pound で 100g 強であり、これがいわゆるマックの Quater Pounder である。
オンス (1 oz = 28g)
1オンスが大体 30g と覚えておくしかない。 16 oz = 1 lb と、10進法ではないのに注意。
ガロン (1 gal = 3.78リットル)
飲み物、ガソリンが大体ガロン単位で売られているのでこれもよく見る単位になる。1ガロンは4リットル弱だと思っておけばいい。ので、ハーフガロンは2リットル、クォーターガロンは1リットル程度と、割と分かりやすい。

液量オンス(fl oz) も缶ジュース等では見かけるが、12 fl ozがいわゆる350ml缶 (実際には 355ml) であるというくらいで、普段あまり数字を意識することはない。 他に Quart、Pint なども使うが、quart はガロンの1/4 と名前に似てQuaterであり、Pint は 1/2 Quart だがまあビールを頼むときくらいしか使わない。

ちなみに車の燃費は マイル/ガロン (mpg) で測るのでもうなにがなんだか分からなくなるが、20mpg でればまあ燃費が悪くない方、くらいに思っておけば良い。
カップ (1 cup = 236ml)
USのレシピの液量・粉量はほとんどがCUPで書かれている。逆にレシピ以外では殆ど見ないので料理をしない人には無縁だろう。他によく出るのは tablespoon で、1/16 US CUP = 1/2 US fl oz = 約 15ml となる。
いわゆる日本の1カップは200mlだが、USカップは1/2 Pintで236mlになり、結構量が違うので注意が必要。USでメジャーカップを買ってしまえばそれを使うだけだから一番手っ取り早いが、日本のレシピを使うときは逆に気をつけよう。

*1  知っててもあまり役に立たない英単語 - 少年漫画の頻出英語

遠い異国で漫画に飢えている姿を見かねた会社の同僚が英語のコミックを貸してくれたのでここしばらく少年漫画をいくつか読んだりしていたのだが、日本語だとあまり気にならないものが英語では繰り返し登場するのが目立って気になったりする。面白いので目についた範囲を列挙してみるとこんな感じだ。多分、日常会話や仕事では役に立ちそうに無い。
Hatred
憎しみ、憎悪: この単語が多発するのは想像の範囲内だが、それにしても頻出しすぎであり、少年漫画の登場人物はあまりに Hatred にとらわれすぎなのが伺える。Chain of Hatred なんて表現は少年漫画以外ではまずお目にかかれないのであり、それはGoogleで検索してもNarutoやFullmetal Alchemistが真っ先に引っかかる辺りからも推測できる。
Underestimate
過小評価する: Don't underestimate me! でいわゆる「俺を甘く見るな!」ってやつである。これはご想像どおり、特に戦闘シーンで多発する。もちろんこの後大抵やられる。
Pathetic
哀れな、不十分な、無価値な: 強力な敵に Don't underestimate me! などと言って挑む無謀な主人公に How pathetic と哀れんだり、無駄に情熱を燃やしている主人公に Pathetic (無価値) と切り捨てたりするのに使おう。
Calm down
気持ちを落ち着ける: これはそのまま「落ち着け」と言うセリフ。少年漫画の登場人物はみな興奮しすぎなのが伺える。
ちなみに豆知識として、Calm はいわゆるワンピースのカームベルトのカームでもあり、無風状態の事も示す。
Sake
ため、目的、利益: 少年漫画の特に悪い方は誰か親玉のためになにかをしていることが多くて、for the sake of ... (〜のために) とか xxx's sake といった発言をよく持ち出す。いいから自分のためにやれよ、と思わなくもない。
いかがだろうか。これらを駆使して年末年始は貴公もぜひ少年漫画の登場人物を演じて頂き、Chain of Hatred を断ち切ってもらえれば幸いだ。

米国のハラスメント研修が面白い

Posted by yoosee on USA at 2010-06-26 12:01 JST

*1  米国のハラスメント研修が感じさせる異文化共存社会の難しさ

仕事の都合でいわゆるハラスメント研修(Unlawful Harassment Prevention)というWeb研修を受けたのだが、日本で受けたセクハラ・パワハラ研修とは毛色が相当違っていて面白かったのでメモしておく。
  • まずハラスメントの種類がとても多い。セクハラ、パワハラ、人種、年齢、宗教、身体障害、ホモセクシャル、体重、などなど。
  • 日本の研修だと「こう言うのはセクハラなのでやってはいけません」というのがほとんどだけど、この研修だと「こういうのはハラスメントではありません」とか「こういう場合にあなたにこういう対応をするのは会社の権利です」といった会社側からの線引きが多い。まあ企業側が企業のリスク回避のために研修するんだから当然といえば当然なのだろう。
  • 会社主催のパーティにセクシャルな格好で来た人には注意していいのかとか、パーティの後に一夜の関係になったことが会社で噂になった場合に云々とか、微妙に具体的なケースが多いんだが一般的によくあるんだろうか。
  • 同性同士でもセクハラになる。共有スペースで豊胸手術の話をして「○カップ以下はダメよね!」とか周りの女性が聞こえるように話したらNG、とか。
  • 男同士でレズビアン映画の批評をしていたらレズビアンの女性がそれを聞いていてHRに訴えるとか、センシティブな話題というのはなかなか難しい。
  • ハラスメント対ハラスメント、というケースもある。例えばある宗教でホモセクシャルが禁忌の場合にホモセクシャルを宗教上の理由で批判していいか、等。
価値観が多様な社会を構築するってのはこういう事なんだなと実感してしまう研修でありました。

*1  We accept competitors coupons

We accept competitors coupons しばらく前に マクドナルドは他店の割引クーポンも受け入れると言う記事が出ていたようだが(その後実際にはダメだったとかあったようだけど)、米国だとそういった店はたまに見かける。 例えば近所のスーパーにはこんなポスターが貼ってある。 We accept competitors coupons ということで、競合店のクーポンを受け入れますよ、と言う事になっている。

ちなみにお店のクーポンは郵送でよく届いているし(宛先は「今住んでる人」とかになっている)、店頭にもチラシと一緒に置いてあったりする。

*1  日本から持ってきた方がいい物といらない物

仕事の都合で現時点で1年3ヶ月程米国は南フロリダに住んでいる。こちらの生活にもすっかり慣れた感があるが、その身で「日本から持ってくれば良かったな」と言うものがあるかどうか振り返ってみる。と、全般的には持ってきて後悔したものはそれなりにあれども、持ってこなくて後悔したものは意外な程に少ない。そもそも殆どのものは現地調達が効くし、大抵のものは日本で買うより安いものがあるので、あまり神経質になる必要は無い。例えば生活用品は、近所に Walmart、Target、IKEA、Bed Bath&Beyond 等があれば一回りすると大体揃うと思う。
出国前という人は Amazon.com で必要なものが現地で買えるかを確認しておくのをお勧め。安値情報は底値生活 in シリコンバレーをチェックしてみよう。

お金さえかければ楽天などは海外発送サービスもあるし、日本の通販を海外発送してくれるJShoppters、日本の書籍や食品の発送 Club Japanといったサービスもある。また米国でも場所によっては ミツワなどの日系スーパーがあるし、今時普通のスーパーでも醤油や日本酒(月桂冠等)等はよく取り扱われている。また中国・韓国系オリエンタルマーケットでカリフォルニア米コシヒカリ等を含め日本食品が扱われていることも多い。行き先の Google Maps で Japanese や Oriental を検索してみるのもお勧めだ。

*2  家電製品

殆ど持ってくる必要は無い。もし荷物に余裕があるなら掃除機はお勧め。米国でまともに吸ってくれる掃除機は Dyson くらいだと思う。もしくは iRobot Roomba の全自動掃除を主とするのも乙ではある。欧米的ライフスタイル = 床に物を置かない を徹底させるためにも効果がある。

家電を持ってくる場合、マイコン制御があるものは電圧の差や電源自体が不安定なので壊れることがままある。変圧器は出発前に検討したが、こちらで買った方が安いし大容量のものもあるし輸送の手間もない。うちは炊飯器を持ってきたので 2000W 100V<->120V 変圧器を購入した。まあ炊飯器は特別持ってくるまでもなく、米国でも象印の炊飯器などは売っている。
冷蔵庫や洗濯機・乾燥機、電子レンジなどは備え付けの場合も多い。また、テレビや電話機などは日本より安いし機能的にも現地向けになっているので、荷物の量が無制限でない限りは現地調達を基本にした方がいい。

*3  キッチン用品

前エントリーで書いた通り、包丁は持ってこれるなら持ってくるに越したことはないが、買おうと思えば米国でもそれなりの包丁は手に入る。むしろまな板は竹やMaple等しかないので、好みと荷物に余裕がある人は持ってきた方がいいかもしれない。箸は結構どこででも手に入るし、菜箸もこちらのスーパーで見かけたのであまり心配はいらないと思う。

鍋やフライパンはもちろんこちらで手に入るし、T-FALなどのセット品にも安いものが多い。米国のキッチン用品は用途別に様々なものがあって、Bed Bath & Beyond あたりを眺めにいくのがとても楽しい。スケールなどは lb. 単位が基本だが、Tanita など gram 単位のものも売っている or 切り替えスイッチがあるものが多いので、あまり心配はいらない。
ラップは品質がいまいちのものが多いが、Costco で売っている Kirkland のものがお勧め。ZIPLOCKやコンテナの類は日本に比べたら果てしなく安い。

*4  食器

茶碗やどんぶりも含めて大抵は米国で手に入る。Target や IKEA 等で$30前後のセットを買っておいて必要なものを買い足すと言うスタイルもいいと思う。ただ木の椀だけは本当に見つからないので、安物でいいので持ってくるのをお勧め。漆器は割れたりするのでリスクが高いかも。
ちょっといい食器が欲しいなら Crate&Barrel あたりがいい。日本ブームだからか、和風の食器もそこそこ見つかる。茶器は Teavana が見つかれば茶葉や抹茶も含めて手に入る。またル・クルーゼStaub の鍋・食器などはこっちで買った方が基本かなり安い。土鍋も中くらいのがあると便利なこともあるが、金さえ出せば米国でも土鍋は販売されている。子供向けの弁当箱的なものはこちらで入手しにくいが、一方でなぜか保温弁当箱は割と流行っていて入手が容易だったりする。

*5  薬、衛生用品

CVSなどで売っている米国の薬は概ね日本のものよりも強くて、有効成分を見てみると日本の市販品の2,3倍入っていることが多い。その分よく効くが、不安であればある程度日本から持っていくのがいいだろう。とは言えこうした消耗品はおいおい現地で買うことになるので、あまり神経質になりすぎても仕方が無いというのはある。
訪米すると環境の変化からか湿疹になる人を多く見ているので、慣れて病院に平気でいけるまでの繋ぎとしてかゆみ止めやクリームは持ってきてもいいかもしれない。化粧品も肌にあわない人もいるようだが、米国でも敏感肌の人がいるのでそうした人向けのものを探せばなんとかなるようだ。妻はAveenoのものを使っている。

こちらで本当に見ないのは耳かき。元々そう言うカルチャーが無いのだろう。爪切りはもちろん売っているが、普通のものは切れ味が悪かったり品質が微妙なので、日本から持っていってもいいと思う。歯ブラシはヘッドが小さいものがあまり見当たらないので、これも日本から持っていくか、割り切って子供用を使う手もある。まあヘッドが大きいものもそのうち慣れてしまうものだが。

*6  洗濯用品

持っていくといい物に洗濯用ネットがよく挙げられているが、こちらでも売っていないことはない。品質は確かに日本のものの方がいい気はする。こっちの人は何でも乾燥機で干すカルチャーなのか、あまり干す道具は充実していないので、洗濯干し用の道具は余裕があれば持っていければ便利。ピンチ程度ならこちらでも買える。突っ張り棒も必要ならば Wallmart や Target 、Home Depot などで手に入る。

*7  家具

家具を日本から持ってくる人は殆どいないと思うが、短期間で安く揃えたいなら IKEA はやはり便利。ラインナップは殆ど日本と一緒なので、時間に余裕があれば日本の IKEA を眺めて行くという手もある。また数年の短期滞在ならば、最初から家具付きの物件を探すのがお勧めだろう。

*8  食品

殆どのものが通販で買える国なので田舎に住んでもあまり困ることは無いのだが、生鮮食品などはそうもいかないので困る。LAなどの西海岸だとそれでもかなり充実した日系スーパーがあるが、中央部や東海岸の田舎では絶望的だ。こればっかりは日本から持っていくわけにも行かないし、地道に似たようなものを探すか我慢するかしかない。それでも米程度ならアジア系食材店を回ればカリフォルニア米のコシヒカリやあきたこまちが売っていてそこそこ普通に美味しい。冷凍うどんや冷凍された焼きそば、納豆、明太子などもそれなりに見かける。なお、美味しいラーメンだけは本当に無い。西海岸の都会なら有名チェーン店すらあるのに。ラーメンに乏しい地域の人には生麺とスープのセットをお土産にするととても喜ばれる... んじゃなかろうか。

*9  総評して

最初にも書いた通り、持ってこなくて本当に困ったというものは殆ど思いつかない。住むと確実に荷物は増えるので、永住前提ではない限り、持ってくるものは最低限にしてそれなりに安いものを現地調達するのがいいんじゃないかと思う。また今時は米国でなにが買えるかも事前に確認出来るし、ネット通販で日本から取り寄せも出来なくはないので、あまり神経質にならずに新生活の買い物を楽しむ気持ちで来るのがいいんじゃなかろうかと。

*1  日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.net

日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.netを見ていて、自分の感覚とあわないものもあったので、ツッコミとしてこちらで手に入るもの・入らないものをちょっと考えてみた。実際、日本人が日常生活に必要なものはあまり問題なく米国で買えると思う。ロケーションとしては南フロリダの片田舎、ただ日本食へのニーズは比較的高い土地柄。

yuco さんも書いているけど基本は Amazon.com 。Tax Free な事もあり、$25以上送料無料の対象ならば、大抵のものは近所の店で買うより安い。日本からも見られるので目星を付けてから訪米するもよし、例えばオフィスの知り合いなど既に米国に受け取り先があるなら事前に注文してから行けば到着した時には必要なものが揃っている状態にもできる。
耳かきと菜箸は、ガイド本「アメリカ暮らしすぐに使える常識集」で「アメリカでは手に入りにくい」と書いてあったので持って行き、よかったと思います。日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.net
耳かき、爪切り等のグルーミング系については同感。こちらにあるものもあるが、日本人が使って快適なものは乏しいし、かさばらないものなので持ってくるのがお勧め。ちょっと高いが諏訪田のつめ切りを愛用している。

「箸が手に入らない」のは違和感があって、この辺でもスーパーマーケット Publix には大抵どこでも箸が(ちゃちなものではあるものの)売っている。特に高級オーガニック食品の全国チェーン Wholefoods は、ダイエットとしての日本食のニーズが高いのか、海苔や米酢、パン粉、鰹節など驚く程に日本食材が充実している。甚だ高いので安価に手に入る韓国系オリエンタルマートを利用しているが。また Crate&Barrel 等でも最近は Sushi Set として、箸と醤油皿と握り寿司用の木の台のセットなんてものまで売っていて面白い。あとは裏技として、Panda Expressのような中華・和食ファーストフードの店なら大抵使い捨ての箸も置いているので、どうしても無ければ少しもらってくるのも手。
「日本から持ってきてよかったもの」で多くの人が挙げているように、こちらの包丁は確かに切れにくいので、日本から持っていってもいいと思います。日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.net
その辺で売っている包丁は確かに切れ味が悪いようだが、米国で手に入るものでも Zwilling J.A. Henckels などは悪くないし (Shaper必須だけど)、日本の包丁も 貝印 旬 三得包丁 といったものが手に入る。むしろまな板はこっちだと Maple などの固いものしかないので日本製が欲しくなる。もちろん日本で使い慣れている包丁があるのなら持ち込むに越したことはない。私もコスミック團十郎包丁を持ってきているし、特に出刃包丁等は手に入りにくいので魚料理をしたい人は持ってきた方がいいだろう。
茶碗とかおわんもないですが(そして上記トピックで持っていくべきとしている人もいますが)、個人的にはボウルでご飯を食べても別に構わないのでそうしています。日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.net
茶碗やどんぶり、ないしそう言う形の食器は結構あると思う。こっちで本当に見つからないのは木のお椀。味噌汁も結構ポピュラーになっているのだが、日系のものを取り扱っている店でもせいぜいプラスチックの椀しか見つからない。好みの問題ではあるが、木のお椀は安物でいいので持っていくことをお勧めしたい。あともし荷物に余裕があれば、1〜2人用の土鍋は意外と重宝する。

食器は日本風に拘らなければ IKEA や Target あたりで 25点セット$30-45 程度の格安セットがあるので、数年の滞在ならそう言うのがお勧め。同じくらいの価格帯で鍋とフライパンと基本的な調理器具も格安のセットがある。
SPF50くらいの日焼け止めも見つかりません。日本から持ってきたもの・持って行くとよいもの - blog.yuco.net
これは土地柄なのかもしれないが、紫外線指数が最高の10+を越えるという殺人的紫外線地域であるフロリダでは、ドラッグストア CVS や普通のスーパーでSPF100とか言うものも見つかる。日焼け止めは肌に直接毎日塗るものなので、日本人の知り合いと話すと結構肌にあわなくてトラブルになることがあるらしい。妻が使っていてお勧めなのはAveeno の SPF30 くらいの日焼け止め。私は普段あまり使わないけど、屋外でスポーツをするとき等はCoppertone のスプレー式 SPF70+ 辺りを使っている。

と、色々書いていたら米国生活1年を越えてのこうした生活用品の感想でも書いてみようかなと思ったので、それはまた別エントリで。

日米のカップラーメン格差

Posted by yoosee on USA at 2009-06-09 09:43 JST

*1  カップラーメンの蓋を開けてみると...

小ネタ。始めて蓋をめくったときは結構衝撃を受けた。フチがきれいに剥がれない…。

日米カップラーメンの蓋


こんなところにも国民性は出るのだなぁ。

まあカップラーメンが売っているだけましとも言えるし、正直蓋なんてどうで もいいからもっと色々インスタントラーメンを売ってほしい。日本に行った事のある米国人スタッフの7割はラーメンを気に入って帰ってくるし、うち2割は熱狂的なファンになっている(当社調べ)のであるからして、もう少し日本式のカップラーメンがこっちで売っていてもバチは当たらないと思う。

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