技術オタク時代の終焉, geekのいない現場, 大企業とWebサービス
Posted by yoosee on Clip at 2005-11-18 23:42 JST1 「技術オタクの時代」が幕を閉じる?--米調査
今となっては世間に要素技術が揃ってしまっているし、OSS で手にはいるものも増えているので、技術者の仕事は「既に大量に存在する手段をどうビジネスに結び付けるか」になっていると言うのは同意する。だがしかし、日本の IT 業界の場合には「そもそも『技術オタク』と言えるほど技術知らないじゃん」と言いたくなる人が多すぎる。2 本当に技術が必要とされる現場にgeekがいない
問題は geek が geek として仕事が出来る規模が限定されていると言うことだと思う。geek が自分の仕事範囲を見渡せるうちは良いけど、規模が大きくなると geek と言う仕事よりも政治層やコミュニケーション・マネージメントの仕事が一気に膨らむので、geek だけでは役に立たなくなる。大企業で geek が能力を発揮できるのは geek を使いこなせるスーツがすぐ上と経営層にいる場合か、geek が幸運にも政治能力をもっていて尚且つ充分な権力を使えるポジションにいた場合。例えば PSP の裏には geek も沢山いますが、geek がいると言うだけでは既に充分ではない規模なんでしょうな。そもそも geek ったって技術に対して万能なわけじゃないし、geek のレベルも色々なのである。
3 大規模サービスを展開する企業が陥るジレンマ
大企業と言っても様々なレイヤ・規模のサービスがあって(故に大企業なわけですが)、別に巨大なアクセスが常に発生するわけでもなし、必要に応じて売り出し方を変える(例えば既存顧客の一部にトライアル提供するとか表メニューに出さず個々の営業が対応するとか)やり方はあるので、逃げ方は無いではない。一方で大量の処理をさばく能力が重要なノウハウというのはその通りで、個人的には Google の最大の強みは新サービスの開発力じゃなくインフラの保持・運用力だと信じてる。なのでたまに見掛ける「Google と同じ事は他企業にも出来る」と言うのは寝言です、はい。
geekがいたから全ての問題が解決するというのはちょっと難しいというか、geekというものを誤解している気がします。
geekってのはおそらく世間ではStallmanのような人を指すかと思いますが、彼は「コンソール上でtelnetしてemacsを動かす」以外何も出来ない(しかしそこで何でもやってしまう)というような人です。彼にJavaを使って使いやすいUIを書いてもらう、とかいったのは多分無理でしょう。
特に東証のケースは、必要なのは細かく厳密な運用手順を作れる人であって、それは geek が苦手とする分野な気がします…。
社員なんてデバイスなんで、ある能力だけ飛び出たデバイスも、標準的な部品として使うしかないんですよね。
仕様以上の能力を持ったデバイスがあったからって、その余力を信じて設計したらだめなのですよ。
ただ少なくとも上司が geek を使いこなせない人だと、お互いに不幸になるでしょうね。
それらを克服するgeekが不在。あるいはヘンな美徳だけが蔓延している。それを感じざるを得ないわけです。