*1  Linuxベース携帯向け共通プラットフォームとオペレータパック構築を検討開始

ACCESSは元々NTTドコモと関係が深い会社ではあるが、ALP がNTTドコモ端末に乗ってくるかもしれない。
株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荒川 亨、以下ACCESS)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下NTTドコモ)、日本電気株式会社(以下NEC)、パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社(以下パナソニック モバイルコミュニケーションズ)およびエスティーモ株式会社(以下エスティーモ)と、ACCESSの「ACCESS Linux PlatformTM」を活用し、Linux(R)ベースの携帯電話端末用共通ソフトウェアプラットフォームおよびNTTドコモのサービスに関連したソフトウェアであるオペレータパックの検討を開始することに合意し、昨日12月10日、5社間による覚書を締結いたしました。 報道発表資料 Linuxベース携帯向け共通プラットフォームとオペレータパック構築を検討開始
ーNTTドコモ、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、エスティーモの4社と合意し覚書を締結ー
実際にどういったものが出てくるのかや時期は全く不明だけど、少なくとも日本で ALP を利用した携帯電話・デバイスが出てくると言う状況に一歩前進。先日のNokiaのLinux端末向け GarnetOS 実行環境提供といい、思ったより順調に開発と展開が進んでいるような感じをうける。

しかし ALP が日本の携帯に採用されたとしても、 GarnetOS 実行環境が乗ってくるとは限らない。Palmware を使うということだとタッチパネル前提になるわけだし、実行環境だけ提供しても現状の日本では Palmware を提供している企業自体が殆ど無いわけで。「CLIEのアプリが使えますよ」と言うのがまだ売りになると判断されれば嬉しいんだが、どんなものなんだろう。

*1  スラッシュドット ジャパン | ACCESS、NokiaのLinux端末向けにPalmOS用アプリ実行環境を提供

書き下ろし。Palm Inc. が独自に GarnetOS VM 搭載 Linux デバイスを作っている一方で、PalmSource を買収した ACCESS は携帯向けプラットフォーム ALP を開発している。記事にも書いた通り 2月には既に開発ベンダ向けバージョンが配布されている状態で、今回はそこから PalmOS5 の実行環境を切り出して提供した形になる。

恐らく今回の Nokia 向けの環境提供は、Linux 携帯を採用している世界最大規模の携帯ベンダ Nokia に ALP への参与を促すためのデモ的なものなのだろう。既に独自の Linux プラットフォームレイヤを持つ Nokia がどの程度まで ALP に肩入れするかは分からないが、プラットフォームの機能を部分的にライセンスするというやり方も考えているのかもしれない。

動作に関しては、PalmInfocenter.com の Nokia Tablet Garnet VM Video Demoを見る限り、GarnetOS VM 自体の起動には多少時間がかかるものの、起動してしまえばアプリの動作や切り替えは十分実用的な速度で動いているようだ。HotSync も可能だし、DIA (Dynamic Imput Area) を利用しての Graffiti 入力も出来ている。CJKOS のような日本語利用のためのソフトが動作するかどうかは不明。
800x480 の N800 に対して GarnetOS の最大解像度は T|T3 や TX の 320x480 なので、画面の真ん中にちょこんと PalmOS が動いている形になっている。解像度を変えるのは Palmware 側の制約もあって無理だろうが、ズーム表示なども可能になるのだろうか。最も欧米のスマートフォンはどうやら HVGA(320x480) を採用しているものが少なくないようなので、多くの場合は丁度いいのかもしれない。

最終的に実行環境としての GarnetOS VM が快適に使えるかどうかは正直よく分からない。Palm の快適さはハードウェア設計と結びついてこそのものだからだ。とは言え大量のソフトウェアという資産を持つ PalmOS5 がこのまま表舞台から姿を消さずに生き残っていけるかは、Palm Inc. が開発しているものも含めてこの手の仮想実行環境が鍵になるのだろう。そういった意味でも実行環境を実用的なレベルにしてリリースした ACCESS に感謝はしたい。

それにしても、日本でも PalmOS が使えるスマートフォンがなんとか出てくれないものか。出来ればWILLCOMから…。

*1  ACCESS Linux Platform (ALP)

ALP HomeALP のサイトが公開されていて、New ACCESS Linux Platform Screenshots が 10画面ほど公開されている。デザインはまぁなんというか今時というかグラデーションと透過を多用しているあたりは iPhone にも似ている。開発は GNU Toolchain をベースにした CodeSourcery がメンテナンスするツール、Sourcery G++ で行うらしい。組込み系でそれなりにサポートが期待できるという意味では悪くない選択肢だと思う。

しかしこの手の情報が出るに従って、PalmOS Garnet との互換性の部分がどんどん話題にあがらなくなってきているのはどうしたものか。正直それが無ければ、ただの新興 Linux ベースの携帯プラットフォームという以上の意味は無いんだけどこれ。

ACCESS Linux Platform v1.0 リリース

Posted by yoosee on Palm at 2007-02-14 22:00 JST

*1  ACCESS Linux Platform v1.0 と製品開発キットがリリース

スラドに書き下ろし。ALP と GarnetOS については過去記事を参照の事。仮称だった ACCESS Linux Platform - ALP はそのまま正式名称になったようだ。スラドでは例によって盛り上がりに欠けているが、 PalmOS (GarnetOS) が現役の海外のニュースサイトでは下層が Linux&OSS と言うこともあってか、結構盛り上がっている。個人的には「いまある Palmware の資産がこの先も使い続けられるように普及してくれると嬉しいなぁ」程度なわけだが、思っていたより筋がいいのかもしれない。

*2  パソコンとPDAはあくまで設計思想が違うべきもの

ところで WinCE 系と比較して「Palm は電子手帳」(であるのが長所)と言い切る人が結構いるけど、CLIE後の Palm はマルチメディア端末としてもふつーに使えるデバイスである。シングルタスクながらも音楽再生などの一部処理ではバックグラウンド実行も出来ている。Cobalt が失敗したのは、マルチタスクに夢を見過ぎたあまり、過去 PalmOS が何故優位に立てていたのかを忘れ、それを軽視しすぎたからではなかろうか。

ALP は「基本は全リソースをフロントアプリに注ぎ込む + 必要に応じてバックグラウンド実行」と言う PalmOS に似たスタンスらしく、このあたりに Cobalt の反省を感じられなくもない。また Palmware の実行も、エミュレーションによって互換性を高めるという方法を取っており、ある意味、構造の美しさより実を取っている印象を受ける。結局は OS がどうのというよりも、ユーザランドまで含めた全体の設計思想が PDA では特に大きいと思う次第だ。

*1  Access Linux Platform Release Date Slips

ACCESS Linux Platform (仮称. 以下ALP) のデベロッパーバージョンのリリース時期が 2006年中から 2007年前半に延期されたというニュース。
Q. What will ACCESS name future versions of the operating system?

A. We are currently using the code name ACCESS Linux Platform for our next generation operating system. We will announce the official name of the ACCESS Linux Platform when we announce that it is available to our licensees and developers?expected sometime in the first half of 2007.ACCESS Licenses Palm OS Garnet Source Code to Palm, Inc.
一応デモ版がLinux Worldで動いていたはずなんだが、はてさて。

*2  ACCESS Says ALP Release Has Not Slipped

と思ったら、ACCESSは「いや、全て計画どおりだ。問題無い。」と言うコメントを出したようだ。
ACCESS has previously stated that they plan to deliver a pre-release version of the ACCESS Linux Platform PDK to select licensees, and a pre-release version of the ACCESS Linux Platform SDK to select registered developers before the end of this year, and that general availability would be in the first half of 2007.ACCESS Says ALP Release Has Not Slipped
元々 2006年中に出すのは限られた相手用のプレリリース版で、公式な開発版が2007年前半だというのは「当初の計画通り」としている。しかしコメントにもあるように
ACCESS and PalmSource expect to make the ALP Software Developer Kit (SDK) available to its licensees by the end of this year (2006). ACCESS and PalmSource Announce the ACCESS Linux Platform - Press Release
今年8月の時点では SDK を今年中に出すって言ってたんだよね。やっぱり遅れてるんではないの?

実際問題としては初めのスケジュールよりも遅れているかどうかより、これで ALP 搭載端末が出るとしても2007年中は難しくなったんじゃないか、と言う方が深刻なのかも。Garnet との住み分けもするようだし、そもそも ALP は Palm としてというより携帯電話向けに注力するつもりなのだろうから、あまり期待しない方がいいような気はしてきた。

*1  ALPがUTStarcom社のデュアルモード端末「T66」に採用

ALP については先日 ALP @ LinuxWorld SF で書いた通りだが、実機への採用第一号のプレスリリースが出た。T66 のスペックは、CDMA/GSM デュアルネットワーク・2.6インチ TFT 液晶・130万画素カメラ・64MBフラッシュRAM程度しか見当たらないが、せめてタッチパネルなのだろうか。個人的にはこのまま中国産携帯のみでの展開が続くとしたら悲しいのだけど、Palm Inc. はどうするのだろう。また日本メーカーは手を出すんだろうか。

*2  More Treo750w pictures emerge

一方の Palm Inc. はというと、Windows Mobile 5.0 搭載の Treo750w の噂が早くも出てきている。写真としては First Palm Treo750 picture - Gizmodo が見やすい。スペックは出ていないけど、アンテナが出っ張っていないデザインはいい。ただ、ソフトキーの搭載形状が完全に Windows Mobile 用になっている。PalmOS モデルはどうなるのか...

ACCESS の ALP @ Linux World SF

Posted by yoosee on Palm at 2006-08-22 23:42 JST

*1  Palminfocenter - Access linux platform at LinuxWorld SF

PalmSource を買収した ACCESS が発表した ALP (ACCESS Linux Platform) だが、SF にて開催された LinuxWorld で実機 (Haier N60 flip-phones) による ALP 動作デモが行われたようだ。また Linux Desktop 上のエミュレータ (UML 上で ARMをエミュレーション) でも動作している。デモでは PalmOS Garnet や GTK native なアプリの他にも MAX フレームワークでの PIM アプリ等も実働していたようで、以前のリリースプランでの2006年末に向けての開発は今のところ順調に見える。現時点での ALP についての情報(記事からの抜粋)を以下に挙げる。

*2  PalmOSエミュレーション

PalmOS Garnet (OS5.x) アプリはエミュレーションとして動作するが、動作再現性は高いようだ。ブースでは Compatibility Station にて Palmware の互換性確認が可能で、「(記事の)筆者と他2人のデベロッパが試したアプリは全て問題なく動作した」としている。Bejeweled!2 でも問題なく動いているので、速度的な問題は小さそうだ。

気になるのは「PalmOS Garnet アプリの起動時には Palm のロゴマークが1,2秒間表示された」という話。アプリ起動に時間がかかってしまっては PalmOS の魅力半減なので、ここは改善されることを期待したい。
また QVGA(240x320)機の場合、下の 240x80 の領域が利用されていなかったようだ。T|T3やTX のように DIA として利用できるのかは現状不明としている。

*3  アプリケーションランチャ

ランチャは現状の PalmOS に類似(1画面に 9個のアプリアイコン)するかたちで提供されている。もちろんこれは標準ランチャなので、3rd party のものも使えるのだろう。どのアプリ(MAX,PalmOS5,Java,GTK+)も同じ画面上にアイコンが表示されるのは、シームレスな利用という点で好ましい。

また(MAXアプリでは?)端末を通して統一的にテーマが適用され、テーマ選択によって配色・フォント・ボタン形状・背景画像が変化するとしている。PalmOS Garnet でも幾つかのシェアウェアを利用すれば実現出来ていることだが、標準機能としてこうした外観の変更があるのはカスタマイズして使うことが主となる PDA/Smartphone では好ましい機能だろう。

*4  MAXアプリケーション

ALP では QVGA や VGA をはじめとした複数の解像度の端末をサポートするため、MAX では Scalable Vector Graphics により解像度が異なる端末でもなめらかに UI を表示する事ができるとしている。当然フォントも Scalable な TrueType などになるだろう。動作速度が多少心配だが。

既に MAX アプリの PIM が動作していたようで、動作は基本的に機敏だが、一瞬待たされる感があるそうだ。まだ OS/Platform が出来たばかりで、上物のアプリに関してはこれからなのだろう。Webブラウザは (ACCESS 故に) NetFront が提供される。特徴として「ブックマークサイトをサムネイル表示可能」と言うものが挙げられていた。個人的には Flash や JavaScript の再現性が気になるところだが。

*5  マルチタスク

ALP で最も PalmOS から大きく変化する部分となる。マルチタスク機能自体は、Linux が基本OSのため、恐らく大きな問題はないだろう。特徴的なのは アプリケーションの標準動作は現行のPalmOSと同じく「他のアプリの起動時に終了」する というもの。この挙動は現状の Windows Mobile 等の先行するマルチタスクPDA用OSとは異なるものになる。もちろんこの場合、アプリが高速に起動することが絶対条件になるだろう。

ソフト開発者は、他のアプリ起動時に自アプリが終了するのかバックグラウンドで継続的に動作するかを個々に決めることができる。これにより PalmOS と同様、余計なリソースが複数アプリで利用され続けられることを防ぐ、としている。バックグラウンドにまわるのは、主に通信アプリ(IMなど)や音楽プレイヤーが想定されているようだ。

バックグラウンドのアプリはポップアップなどのアクションを起こすことが可能なので、常駐させたアプリが「メール受信の通知」を出すと言うことも可能のようだ。バックグラウンドのアプリはステータスバーにアイコンが表示され、そこから DA のような小さなポップアップを出すことが可能としている。例えば音楽プレイヤーの [再生/停止] のツールを呼び出すことなどを想定しているらしい。

*6  その他の特徴

ハードウェアとしては QVGA(240x320) をメインターゲットとするようで、現状の PalmOS デバイス 320x320/480 から交代することになる。OS としては VGA(480x640) 以上もサポートするので、どちらかと言うとハードウェアベンダ側の判断になるだろう。

HotSync は OMA 標準互換となり、インターネット経由の同期や WiFi 経由でのバックアップが可能になっている。

*7  以上を踏まえてのALPについての雑感

2006末の開発ベンダ向けリリースに向けて、思っていたより順調に開発が進んでいるように見える。元々の PalmOS の利点はなんといっても豊富な Palmware と素早い動作だろうから、エミュレーションが問題無く動作しているという報告は朗報だ。またマルチタスクに関しての「新規アプリ起動時に元アプリが終了」と言う標準動作は、限られたりソースを有効に使うのによい戦法に思える。問題はアプリ切り替え時の「起動速度」が PalmOS のように長くても 2,3秒以内に押えられるかどうかだろう。

どちらにしても次の段階は Hardware Developer の動向になる。特に Palm Inc. が Garnet の後を担う世代に何を使うかは大きなポイントになるだろう。私としては Windows Mobile のみと言う状況に流れない事を祈るばかりだが、さてどうなるか。

*1  More Details on the ACCESS Linux Platform

ALP について先週掲載したスラッシュドット記事は盛り上がってくれなかったが、海外では Treo650 の人気もあり、 PalmOS 搭載機種も普通に発売されているので結構興味を持たれているようだ。数日前には ALP 上で動作する PalmOS アプリケーションのスクリーンショット も流れていたが、More Details と言うことで ALP 上で開発者が利用することができる環境について記載されている。
  • MAX Applications (ALP ネイティブのインターフェイス)
  • Palm OS (68k) アプリケーションのエミュレータ
  • GTK+ (Linux ネイティブな UI インターフェイス)
  • J2ME (Java VM 実行環境)
MAX
新しいスマートフォン・モバイル用インターフェイスを供える環境。"zen-of-palm" の持つ操作感を引き継ぐ。スタイラス、タッチスクリーンや 5-Way でのナビゲーションと言った one-handed operation のための機能を提供しつつ、将来的にマルチタスクやバックグラウンド実行に対応する。新しい PIM などの ALP アプリケーションは MAX 形式を採用。
Palm OS Emulation
Palm OS 68K アプリケーションがそのまま動くエミュレーション環境。PalmOS for Linux で言うところの PACE (Palm Application Compatibility Environment) だろう。"well-behaved" なアプリケーションはそのまま動くと言っているので、内部的に入り込んだ hack をしているものは動かない可能性もありそう。
GTK+ (and GStreamer)
主に Linux でメジャーなツールキットである GTK+ のインターフェイス。3rd party Linux app が簡単に移植可能としている。とは言え画面サイズ的な制約は大きそうだが。
J2ME
Java Mobile Edition の動作環境。WX310SA のように、全てではないにせよ携帯電話向け Java アプリケーションがそのまま動くかも。

*2  ALP についてのその他の情報

気が付いたあたりのメモ
  • Linux kernel 2.6.12 ベース
  • データベースに SQLite (PalmOS のようにファイルシステム自体がデータベース型?)
  • BlueZ の改良バージョンで Bluetooth 2.0 に対応
  • MAX ではキーボード入力・手書き認識が搭載されるが、 Graffiti が搭載されるかは現時点では不明
  • Webブラウザとして NetFront3.4 を搭載(RSS, Ajax対応?)
  • アプリケーションへの署名・認証が可能(ベンダは動作するアプリを制限可能)
  • ALP は 1 バージョンのみで展開(ハイエンド・ローエンドといった区別は無し)
  • Garnet (現行 PalmOS 5.x) の供給はカスタマが必要とする限り継続する
  • ALP 搭載端末は 2007年の出荷になるだろう(SDKの提供が 2006年末目標)
  • 異種プラットフォーム間同期の標準である SyncML 対応 (図より)
雑感としてはそれなりにまともな発想で作っている感じはする。2007年に出るという ALP 搭載機種はどこの会社・携帯会社が出す予定になっているのか(まだ予定はないのかも)、果たして Palm Inc. は ALP を使ったハードウェアを出してくれるのだろうか。現時点で動作しているALP MAXスクリーンショットが出ていることを考えれば、 2006年末までには今度こそ間に合うんじゃないだろうか。アイコン類がなんだか、Be ぽいと言うか NeXT ぽいと言う感じがするのは誰の趣味だろう。それにしても全体的にネーミングがかっこ良くないんだけど、ACCESS の人が付けたのかな…。

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