*1  Nook Simple Touch を汎用Android端末として使う

B&N の電子書籍端末 Nook Simple Touch が Refurbished $59.00 で売っていたので思わず買って早速 root 化し、e-ink 汎用Android端末として使っているが、これが素晴らしい。なにが素晴らしいって様々なファイル形式やサービスに1つのデバイスで対応できて、かつ e-ink であること。pdf も epub も mobi も zip で固めた jpg/png も text も豊富なアプリで読めるし、Kindle はじめ Android 上でアプリとして動く電子書籍リーダももちろん使える。電子書籍のサービスやフォーマットが過渡期である今は特にそうしたコンセプトの端末がありがたい。

Nook Simple Touch のデバイスとしてのスペックはこんな感じである。
  • 6インチ 800x600 e-ink タッチ ディスプレイ
  • CPU OMAP 800MHz, Memory 256MB
  • microUSB スロット (32GBまで対応)
  • WiFi, microUSB
  • 左右ベゼルに計4箇所のハードウェアキーと、下部中央に N (Nook) キー、背面に電源キー
  • 16.5 x 12.7 x 1.2 cm, 212g
  • Android 2.1
解像度は1世代前のKindleと同程度。本体のストレージは数百MB程度しか空きがないが、microSDスロットがあるので自炊ファイルを相当詰め込んでもデバイス容量で困ることが無い。また左右ベゼルの上下に合計4箇所のハードウェアキーがあるので、画面タッチではなく物理キーで読み進められるのが素晴らしい (ボタンが多少押しにくいのだけもったいないが) 。重さは他のKindleと同程度で軽く、かつ背面のくぼみに手をかけて親指はハードウェアボタンに置きっぱなしに出来るので大変快適に読書ができる。

OS が Android 2.1 と今となってはかなり古いが、読書に必要なアプリが動けばいいと割り切ればさほど困らない。具体的には下記のアプリを中心に使っている。
  • ezPDFreader / PDF ファイル閲覧
  • Perfect Viewer / 自炊したマンガや書籍の Jpeg を固めた zip の閲覧
  • 縦書きビューワ / 青空文庫などのテキストファイル縦書き閲覧
  • Cool Reader / epub や mobi など複数形式対応リーダー
  • Kindle / Kindle Store の書籍と Instapaper からの送付用
  • JustReader / Google Reader と同期してのRSS購読
  • X-plore File Manager / 端末のファイル操作やDropbox, Sambaなどからの転送用
こうしたアプリの多くはボリュームキーでのページ送り設定が出来るので、NSTツールで左右のハードウェアキーをボリュームの上下にアサインするとハードウェアでのページ送りが出来るようになり、大変快適になる。特にPerfect Reader は余白の自動カット機能などもあるため、6インチの画面でも比較的快適な大きさで読むことが出来る。

ほぼ唯一痛いのはKindleで、動くことは動くのだが Android 2.1 上だと Amazon.co.jp への接続ができない。これだけが本当に痛い。しかたがないのでそこは Amazon.com Kindle 端末として使うことにする。

それを除けばやはり e-ink の画面は文章を読むには楽だし、窓際や屋外でもなんの問題もなく読書ができる。電池の持ちも Android 化しても常駐アプリを増やさなければさほど悪くならず1週間程度は使える。汎用性が高く使い勝手のいい電子書籍リーダーとしてしばらく主力になってくれそうである。


なお Nook Simple Touch の root 取得 / 汎用Android端末化は以下の記事を参考にした。 基本的には必要なイメージファイルをmicroSDカードに dd などで焼いてbootし、後は手順に従ってGoogle Accountにサインアップするだけで、さほど難しいところはない。

電子書籍が確かに変える読書体験

Posted by yoosee on Gadget at 2010-05-09 09:02 JST

*1  電子書籍が確かに変える読書体験

佐々木俊尚氏のTwit経由で以下の記事を読んだ。
この記事で、SmashwordsのMark Cokerが電子書籍が売れる理由を下記のように端的に表現しています
If we boil it all down to what really matters, it’s about customer experience. People who try ebooks are loving ebooks.
私もまったく同感です。肝心なのは消費者の体験なのです。電子書籍を体験した者は電子書籍が気に入っているのです。洋書ニュース: 電子書籍に関するこのデータを見てどう感じるかで出版社の未来は決まるかも
Kindleを使い始めてやはり同感するのは、読書体験が想像以上に変わったこと。今までもWebで面白そうな本を見つけてAmazonで購入すると言うアクションはあったが、やはりそこには時間的・空間的な切れ間があった。

それが(米国在住者の) Kindle だとこうなる。
  1. BlogやWebの記事を眺めていると書評を見つける
  2. Amazon へのリンクをクリックすると Kindle Edition がある
  3. Send sample now (Deliver to kindle) をクリック
  4. 手元の Kindle に60秒以内に最初の15ページ程度が送られてくる
  5. 読み始めて、本当に面白そうなら Kindle から購入を押せば続きが読める
これは結構やばい。読みたいと思ってから数分後には無料サンプルが手元にあり、気に入ればそれに引き続いて読める。それがKindle/電子書籍の読書体験だ。英語の書籍を読むのは相当億劫に感じてしまう自分でも、既に4冊購入して 3冊サンプルが入っている、と言うくらいには。日本語の書籍が出ていたらどうなちゃうんだろうか。

加えて以前も書いた通り、何十冊と何百冊と本を持ち歩けるのも読書体験を変える。一冊読んで途中で気が変わったら他の本を読む。しばらく放置してもふと読みたい気分になった時には手元にある本を読み始められる。これも味わってみないとなかなか分からない感覚かもしれない。

電子書籍は紙書籍の敵ではなく、書籍の可能性を広げるものだ。日本でも早く展開が進むことを期待したい。

*1  Kindle 6インチモデルで色々な形式の本を試し読み

世はすっかり iPad の方が話題だろうが、Kindle では引き続き地味に読書を楽しんでいる。さて Kindle で読めるのは、基本的には以前の記事にも書いた通り、AMZ(Amazon形式)、テキスト、mobi、PDFが主な形式だが、快適に読めるかどうかはまた別問題。そこでフォーマット毎にざっとレビューしてみた。スキャナでの画像も載せたので参考までに。なお 200dpi でスキャンしているので、167dpi の Kindle より大きめになっている。標準的なディスプレイでは約50-60%縮小表示(画像の縦サイズが14cm)で実サイズになるかと。

Amazon (.azw) 形式
Kindle AZW formatこれはもちろん何の問題もない。ページめくりも 0.6秒程度と、普通の読書では殆ど気にならない。視点を下端から上端へ移す間に表示が終わる感覚になる。文字の拡大縮小、行間隔の変更などで自分が読みやすいように設定することができるし、書内検索、辞書引き、メモやブックマーク、Text to Speech による読み上げ、別のリーダーとの既読情報の同期など、紙の本では出来ない便利な機能も含めて快適に読書を楽しめる。また Amazon で買った書籍なら本体から消しても何度でも再ダウンロード出来るのも安心。

テキスト (.txt) 形式
日本語はフォントハック前提だが、基本的には UTF-8 であれば問題なく読めるし文字の拡大縮小なども出来る。ただ日本語の場合、なにかの拍子に途中で化けるとその続きがまったく読めなくなることがある。長文を読む場合はPDFにした方が無難だと思う。

Mobi (.mobi) 形式
これも問題無し。表示レベルはテキストと同一。世には RSS の mobi 形式への変換サービスなどもあり、フォントハックとの併用で日本語も読むことが出来る。Kindle 内蔵の 3G アクセスとWebブラウザを使えば、世界中どこででもそうしたコンテンツを読めるのはかなり便利だ。

漫画単行本のスキャンPDF
kindleComic意外なくらいに問題なく読める。16階調グレースケール表示で、スクリーントーンレベルの表現なら殆どのカバーできるんじゃなかろうか。コントラストは高めになっていないとたまにかすれて読みにくくなる。漫画を読むペースが早い人は、特に展開の早い漫画ではページ送りの1秒前後の画面切替り時間が気になると思う。と言うか私は気になったのだけど、複数冊読んでいると慣れないこともない。これも向き不向きがあり、四コマ漫画なんかだとほとんどストレスを感じないが、例えば後期のドラゴンボールみたいに台詞が少なくて大ゴマの多い漫画は読みにくいんじゃないかと思う。

ちなみにフォルダやZIPでまとめた画像も読めるが、画像サイズが大きいとページ送り印時間がかかりすぎて実用的ではない感じになる。やってないので分からないが、800x600に最適化するのが吉かもしれない。

単行本、新書PDF
まったく問題無し。文字のサイズもちょうど良く、縦書き日本語を快適に読める。あえて難点を言えば、PDF全般で起こることだが、余白を最大限排除して拡大表示するため、ページによって例えば紙面端にあるページ番号の位置などによって拡大率が微妙に変わるのが気持ち悪いことくらいか。

A4判技術書のスキャンPDF
Kindle PDF A4技術書文字サイズによるが、読みやすいとは言い難いものの、ぎりぎり読めるものが多い。分厚いリファレンスを持ち歩けるのはそれなりに便利ではある。ただ電子ペーパーの特性的な話として、パラパラめくって数ページ戻るといったオペレーションが苦手なため、気になった部分に戻ってから読み返すというアクションにはお世辞にも向かない。基本は頭から順に読んでいくのに向いているのだと思うが、PDFではなく awz 形式の技術書ならページめくり時間が短いこともあって便利に読めなくもない。また検索やnoteなど便利な機能も使える。

A4/Letter の PDF 書類
会社のドキュメントなどもPDFにして入れて読んでみているが、やはり文字が小さくなるのが難点。もちろんPDF印刷時に用紙サイズを変更することで対応可能ではある。A4書籍や書類を読むのが主目的であれば Kindle DX の方が向いてはいるだろう。

Kindle 関連情報まとめ

Posted by yoosee on Gadget at 2010-03-26 11:01 JST

*1  日本でのKindle関係情報

これからKindleを買いたい、と言う人にいくつか情報源を。まとめというよりは紹介に近いものだが。

Amazon Kindle FAQ 購入前情報からJailbreakまで | をぢの日記
Kindle関係の情報がよくまとまっているサイト。日本での購入を考えている人は一読をお勧め。
yoshi's blog > Kindle 2.3.3へのアップデートとフォントはっく
上記サイトでも紹介されているように、現行のKindleでフォント埋め込みPDF以外で日本語を使うには Jailbreak と呼ばれる方法でフォントハックを行う必要がある。このサイトのHackはフォント入れ替え、スクリーンセーバー入れ替え、自動Update抑制、pdf直接ダウンロード、anti-brickと普通必要であろうHackが1つで一通り入るので便利だと思う。導入は自己責任で。
Kindleで見れる新聞/マガジンを無料で作成する | My Life Times
Kindleはmobiフォーマットに対応しているのだけど、RSSをmobiに変換するサービスがあるのでうまく使えば色々な記事がKindleで読める。内蔵ブラウザから直接ダウンロードと言うのも可能。でも正直、自動ダウンロードが無いとやっぱりちょっと面倒。
Kindleで英辞郎を使おう | My Life Times
Kindle に元から入っている Oxfort 英英辞書の替わりに英辞郎を使う方法。ちなみに東村ジャパン 英辞郎 for MobipocketについているDRM無し版は上記JailbreakをしたKindleでそのまま使えるが(私が今使っているのもこれ)、残念ながら3月末で提供終了になっている。
青空キンドル
青空文庫を Jailhack してない Kindle でも読めるフォント埋め込みの縦書きPDFにしてくれるサービス。
岩瀬大輔・著『生命保険のカラクリ』PDF全文ダウンロード
4月15日まで無料ダウンロード可能。電子書籍の体験と言う意味だけでなく、内容も必読レベルだと思う。
アップル iPad vs アマゾン Kindle 比較リスト
正直これだけ目的が違う端末を比較する意味はあまり無いと思うけど、まあ一応納得して買いたいという人のためには情報がまとまっていてそれなりに便利。

*1  Kindle 6インチ版を1ヶ月程前に購入して

1ヶ月程前にKindleの6インチ版を購入した。カッとなって... と言うわけではなく、3,4ヶ月考えた末に iPad のスペックも見た上での購入である。今のところ、期待した以上に楽しめている。と言ってもまあ出来るのは「本を読む」と、それだけではあるのだが。それでも素晴らしい点は幾つもある。

軽い - 本を何冊持ち歩いても重さは同じ
重量289g。さすがに新書や単行本よりは重いだろうが、手元にあった300ページ弱のA5判の本が330gくらいだったので、それよりも軽い。なにより、何冊本を入れても重さが変わらないというのがデジタルの素晴らしい所。大量の本を気軽に持ち歩く、と言うのが Kindle で得られた最大の新しい体験かもしれない。
9.1mmと薄いデザインは素晴らしいとは言わないまでも悪くない。片手で持つのも問題ないが、Next Page が左右の端にある都合で端っこをつまむように持つ形にすると多少支えづらい。

文章が読みやすい電子ペーパー
電子ペーパーとも呼ばれる E-ink は発光するPCのディスプレイと違い反射型で、特性が紙に近い。解像度は 6インチ 600x800 で 167dpi と高く、印刷された文字と比べても遜色ない。個人的な好みもあろうが、PCのディスプレイで本を一冊まるまる読むのは正直辛いが、Kindleでは少なくとも表示された文字を読むことに関してそういう苦痛はない。また直射日光の下でも問題なく読めるので、屋外のベンチで時間つぶしに本を読むというケースにも問題なく使える。

3G接続でどこでも本がダウンロードできる
Whispernetと呼ばれる3G網への無料(US外では書籍料金に$1.99上乗せ)接続で、Amazonで購入した書籍は自動的にKindleに、大体60秒以内くらいにはダウンロードされて読み始められる。これは結構快感だ。新聞など毎日更新されるものは特にこの恩恵に預かれそうだ。漫画雑誌がこうやって配信されたらいいのにと心底思う...
また本体から削除した本も、再度のダウンロードがいつでも無制限に可能。購入情報はAmazon.com側にあるため、本体が壊れようが自宅が全焼しようが買った本には問題ない。またPCやMacやiPhone用Kindleリーダーを使うと複数の端末で同じ本が読めるし、既読情報やBookmark、メモなどはオンラインで自動的に同期される。

電池が持つ
3G接続ONで1週間、OFFであれば2週間くらいは電池が持つ。特にありがたいのは、3Gを切っておけば鞄にしばらく使わずに放り込んであっても電池は殆ど減らないところ。電池がなくなるのは「使っているとき」なので、知らない間に電池がなくなっていて本が読めなくなることが少ないのは精神的に良い。

辞書が引ける
デジタル書籍ならではの機能であり、特に英語の本を読んでいるときにありがたい。最初から Oxford の英英辞書が内蔵されているが、DRM無しmobi/prc形式の英辞郎などを入れれば(フォントハックとの併用で)英和辞書も使うことが出来る。

本しか読めない
あえて長所として。ほぼ読書専用端末なので、途中でついメールやIMをチェックしたりWebを見たりといったことが(出来)ない。
実際にはWebブラウザも搭載されていて内蔵の3Gネットワークでどこでもインターネットにアクセスできたりはするが、まあおまけ程度の機能でありそちらに気を取られるようなことはまずないだろう。

個人的には買っての後悔は殆どないが、とは言え現時点でどう考えても発展途上のデバイスであり万民に進められる端末とは言えないので、以下に残念な点も列挙する。

今のところ日本語の本が販売されていない
多分最大の障害はこれ。英語の本を読むは読むが、やはり日本語の本が買えるに越したことはない。特に海外にいる身としては、日本の書籍や漫画がオンラインで即読めるようになる未来を望んでやまない。なお現行Kindleでもフォントハックをすれば日本語の表示も全く問題ない。自前で本をスキャンしたPDFや青空文庫のような著作権フリーのテキストを読むことは今でも可能ではある。

暗い所で読めない
紙でもそうなので当然とも言えなくはないが、背景が白ではなく薄い灰色になっていることもあり、コントラストは紙に比べると70%程度だろうか。薄暗いところだと読みにくいのでブックライトが必要になる。

ページめくりに0.6〜1.0秒程度かかる
電子インクの性質上だろうが、全面が一瞬黒になってから次のページが表示されるようになっている。これにAmazon本(.azw)だと大体0.6秒くらいか。PDFでのページめくりの時間はazwやmobiに比べて僅かに長く、多分1秒強くらいかかる感じがする。本でも実は同じくらいかかる気はするが、特にPDFのケースで多少ストレスを感じる事がある。

操作系、特にタッチパネル非搭載の点
Next Pageボタンなどは本を読むのにはよく考えられた操作レイアウトになっているが、タッチパネルでないこともあり、例えば読んでいる本の単語を辞書で引きたい場合等にカーソルを延々と移動させる必要があったり、また大量の本を入れているとたどり着くのが面倒になったりと、UIのいけてなさは多少気になる。きっと次世代機はタッチパネルを載せてくるのだと思うが。

Kindle化されていない本が多数
Amaozn.comには現時点で450,000冊の本があり、最新のベストセラーなどは殆どがKindleで読める。他にも1928年より前に刊行された著作権フリーになっている本(180万冊あるらしい)を読むことは出来るが、昔読んだSci-Fiやファンタジーの原書を読もうとすると得てしてKindle版は無かったりする。

と気になる点はあるし1,2年内には色々な新端末が出るだろうとは思うが、今の時点で電子書籍を楽しむには十分に事足りる。購入した英語の書籍、フリーで落ちている英書や青空文庫、書籍をスキャンしたPDFなどを読むのであればそれなりにお勧めは出来る。

*1  雑誌配信共同実験 parara のモニタープログラム

パソコンや携帯電話、専用端末への雑誌記事の有料配信を目指す、共同サイトの実証実験「parara(パララ)」が28日、始まった。日本雑誌協会(雑協、東京都千代田区)内の「雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアム(共同事業体)」が進めるもので、講談社や小学館など、58の出版社の雑誌91誌が参加している。asahi.com(朝日新聞社):雑誌のネット有料配信 実証実験「parara」始まる - 社会
このモニターに当選して、しばらく前から使い始めている。今のところ3,4冊購読して幾つか雑誌記事を読んでみているところだが、規約的には外部に感想を書いてはいけないという項目は無いようなので端的に感想を。
  • オンラインで雑誌が買えてすぐ読めるのは、特に海外にいる身では至極便利。日本でもコンビニに常時置いてないような雑誌を読みたい人には便利じゃなかろうか。
  • PDFでのA4雑誌閲覧は画面の「縦解像度」が必要。800だと全画面でも厳しい。1024以上は必須。さもなくば1ページを半分ずつ表示して読むと言う手はある。
  • 解像度があってもやはりディスプレイで雑誌をまるまる一冊読むのは結構つらい。これは発光型・反射型というディスプレイの特質なのでなんともしがたいかも。
  • DRMの都合で部分印刷できないとかコピぺ出来ないのも使い勝手が良くない(これはまだ実証実験なので今後の課題なのだろう)
  • 漫画がどれくらい読みやすいかは不明。漫画雑誌は唯一ヤングジャンプがあるんだけど表紙含めた5ページしか購読できなかったので参考にならず。
  • 記事単位で購入が出来る。例えば「○○特集」だけ8ページ80パララ(通貨単位、多分1parara=1円換算)なんて買い方が出来るのは便利だと思う
  • キーワードで記事を串刺し検索し、特集記事の概要を見て数記事購入、みたいなスタイルが出来るのはちょっと新しいんじゃないだろうか。
  • ただ雑誌を丸ごと買っても記事単位でしかダウンロードできないのは面倒すぎる。これも実証実験だと言うのを考えれば使い勝手は改善されるのだろうけど。

全般的には好印象だし、iPad (768x1024縦持ち) で記事単位で購読するのは解像度的になんとか足りるかもしれない。ただPCのディスプレイで大量の文字を読み続けるのは結構しんどい。また普通のノートPCクラスだと縦解像度(普通は800前後だろう) が足りなくて読みにくい。

手元のLaptop (1280x800) では EeeRotate で画面を回転させてPDFの全画面モードで読んでいて、これだと大体雑誌のA4版と同程度の表示面積になるが、小さい文字を読むのは dpi が小さいこともあり、これでもギリギリな感じだ。またLaptopを横向きにして読むのは物理的に持ちづらいし面倒。特に風呂場で雑誌をよく読む身としてはリーダーの制約は結構きつい。

まあそれでも電子形態の雑誌配信は、保存が邪魔にならないとか後から串刺し検索できるとかバックナンバーの取り寄せが容易(これは提供者次第だが)など、メリットも多そうだ。リーダーがもう少しこなれるか(Kindle配信は考えてほしい)、雑誌側がPCでも読みやすいようにフォーマットを合わせてくるかすれば定期購読が増える可能性も含めて未来はあるんじゃなかろうか。願わくば部分印刷は許可するなど、DRMは多少緩めにして欲しいものだが。

*1  R25電子雑誌

フリーペーパー R25 が電子媒体で読めるらしい。内容は誌面と同一のようだ。Fujisan Reader なる専用ソフトが必要なのはちょっと面倒だが、在庫を探し回らなくても済むのはありがたいし、紙ゴミが増えないのも嬉しい。

で、この専用ソフトを早速試したが、なかなかよく出来ている。起動すると自動的に購読している雑誌の最新刊を取得してくれるし、その後は常駐して定期的に最新刊のチェック・自動ダウンロードする仕組みになっている。誌面見開きでの表示からワンクリックで拡大が可能で、一部を拡大したままでのページ送りも出来る。XGA でも 1/2 ページ拡大表示だと文字を読むのにあまり不都合は無く、その状態のままでスペースキーだけで読み進めることが出来るのが便利だ。R25 は 1/2 紙面記事のページが多いのも幸いしているのかもしれない。

ちなみに雑誌の DRM として Print Screen 出来ない設定らしく、スクリーンショットは取得できなかった。このソフトを起動していると PrtSc をフックするらしい。気持ちはわからんでもないが、あまり無駄な努力はしない方がいいのにと思わないでもない。

モノマガジンがあったら定期購読してもいいかなと思ったが、私は雑誌は風呂場で読むことが多いので、それが出来なくなるのは辛い。拡大すれば読みやすいとは言っても、さすがに普通に紙で読むのと比べたら読みやすさでも雲泥の差がある。これはこれで面白い試みだしソフトも良くできているのだが、それにも増して紙は偉大だ。電子ペーパーが一般化し、読む用途だけでも紙を超越するのはいつの日か。

電子ブックは雑誌2.0の夢を見るか

Posted by yoosee on Gadget at 2006-09-28 23:42 JST

*1  スラッシュドット ジャパン | 松下・角川・TBS共同で電子書籍「ワーズギア」設立

なんとなく懲りないなという気もしてしまうが、松下がΣブックに続く新しい電子ブックを出すらしい。文庫本サイズで重量 325g 。画面は 1024x600 (211ppi) の透過型低温ポリシリコンTFT液晶で記録媒体はSD。電子ペーパーでは無く TFT カラー液晶を持ってきた所が意外な感じだし、連側再生 6時間は短い気もする。コンテンツ供給元を巻き込んでの展開が新しいだろうか。
一方のソニーからも後継機種が出たらしい。Sony Reader: Gizmodo's Hands All Over, $350 in October (Really!) - GizmodoSlashdot | Sony Reader Now Available によると、こちらは電子ペーパー採用で画面はかなり見やすい。クレードルが付いているのもいい。値段が $350 らしいので、日本だと 4万円を越えるくらいだろうか。

*2  電子書籍が実現したら欲しいもの

個人的には消耗品である雑誌こそ、こうした電子配布の形態をとれればいいのでは無いかとずっと思っている。出版社にとっても定期購読者が増えるのは歓迎なはずだし、流通コストも大幅に削減できるだろう。実際、携帯電話向けに雑誌配信をしているサービスは今なら結構ある。月800〜1,200円くらいで週刊誌や漫画雑誌の自動配信をすれば、世のサラリーマンが通勤電車で読む用の、新しい市場開拓になる気がするんだが、どうだろう。
また、雑誌が場所を取らない・検索可能な存在になれば、雑誌の役割自体がひとつレベルアップするのではなかろうか。但し一方で雑誌連載をまとめた単行本の売上げが落ちる可能性はあるかもしれない。

DRM をどうするかという問題は音楽・映像配信と同様に残るわけだが、くれぐれも バランスのとれた方式 を採用して欲しいものだ。望み薄だとは思うが…。

About W.W.Walker

World Wide Walker は yoosee による blog です。PDA, Web・サーバ技術, 美味しい食べ物などの話題を取り上げています... read more

Monthly Archives

Select Month to read
  

Ads

Recent Entries

Related Sites