February 16 Mon, 2009

PalmOS 13年の歴史

Posted by yoosee on Palm at 2009-02-17 02:42 JST

*1  PalmOS 搭載デバイスの新規発売終了

ついにこの日が来たかという感じだが、Palm Inc. が現在のPalm OS 搭載デバイスの新規発売終了を宣言した。今後は先日発表された webOS へ専念することになる。 今後、Nokia N810 のような仮想マシン Garnet VM 上での動作はあるかもしれないが、Native な端末はこれで幕を閉じることになる。

Palm Computing 創設からの歴史をまとめた10周年記事に、2006年以降の出来事を加筆した。日本では2005年2月のCLIE撤退でPalmOS端末はほぼ途絶えた形になっているが、海外、特に米国ではスマートフォン Treo や Centro がそれなりのセールスを上げている。また PDA も Tungsten, Zire, Life Drive, TX といったモデルが(これらも終焉したが)販売されていた。Pilot が発売されてから約13年間の活躍であり、PalmOS 搭載端末は 3,800万台以上販売され、28,000を越えるソフトウェアが存在しているという。
年-月Palm の動き関係他社の動き
1992
1992-01Jeff Hawkins と Donna Duversky により Palm Computing Inc. 創設 (創設当時は PDA をターゲットにしたソフトウェア会社)
1993
1993Zoomer用ソフト、Graffiti や Sync ソフトウェアの開発などに参加Apple が Newton, Casio が Zoomer を発売するもあまり売れず。
1995
1995-09U.S.Robotics が Palm Computing を 4400万ドルで買収
1996
1996-03Pilot 1000 リリース。スペックは 128KB のメモリ(Pilot 5000 は 512KB) に 16MHz の CPU、160x160 4階調モノクロタッチスクリーン。シャツのポケットにはいるサイズ、PC との HotSync、Graffiti入力、高速な動作などの基本的な部分はこの時点で出来上がっている。
1996-10 山田達司氏がJ-OS 1.0, 1.1 をリリース
1997
1997-032番目の製品 PalmPilot リリース
1997-053Com が U.S.Robotics を買収
1997-09Palm のプロダクトが 18ヶ月で 100万台の販売を達成
1998
1998-04Palm III 発売。Pilot → PalmPilot → Palm と名前が変遷しているのは日本の文房具メーカー「パイロット」社と商標の衝突があったため
1998-11 Jeff Hawkins, Donna Duversky, Ed Collegan ら Palm Computing 創始メンバーが Handspring 社を創設
1999
1999-02名機 Palm V が発売され、圧倒的な支持を得る。Louis Vuitton や Hermes など高級ブランドも専用ケースを発売。1999-10 にはスペック強化した Palm Vx 発売IBM により日本語化された PalmIII の OEM、 WorkPad 発売。初の日本語化製品
1999-05初のワイヤレス機能搭載 Palm VII 発売
1999-09 HandSpring が Visor を発表。外部拡張の SpringBoard 搭載が話題に
2000
2000-03初のカラーデバイス Palm IIIc 発売Handspring Visor 発売。Palm を越える売上
2000-04Palm 日本法人が日本語化された Palm IIIc, PalmVx を発売開始
2000-05Palm Inc. が IPO 。米国で最も成功した IPO の一つと言われる
2000-06 HandSpring も日本語化された Visor Deluxe を発売
2000-07 Sony が同社初の PalmOS 端末、Clie PEG-S500C/S300 を発売。S500C は 256色カラー、両者ともメモリスティックスロットやジョグダイヤルを搭載
2000- この頃、Sony, IBM や Handspring 以外にも HandEra や TRG, Symbol などが PalmOS のライセンシーとしてデバイスを発売。PDA黄金期
2001
2001-04 HandSpring Visor Edge 日本語版発売
2001-04 Sony PEG-N700C 初のカラーハイレゾ(320x320)デバイス発売、オーディオ再生も搭載
2001-05Palmware が 10,000個を突破
Palm Inc. が Be を買収
2001-09 Handspring 日本法人が国内からほぼ撤退
2001-10 Handspring が最初の PalmOS スマートフォンとなる Treo を発表
2001-12Palm Inc. がハードウェアとソフトウェア事業をそれぞれ PalmSolutions, PalmSource に子会社化
2002
2002-01 Handspring が Visor から撤退
2002-02PalmOS のライセンス・開発を PalmSource に分離Handspring が初のスマートフォン Treo 180, 180g 発売
IBM が WorkPad から撤退
2002-09Palm 日本法人が国内販売から撤退
2002-10Palm Tungsten と Zire をリリース。Tungsten は同社初の ARM/OS5/ハイレゾデバイス。Zire は 18ヶ月で 300万台のセールスを記録Sony が世界初の PalmOS5 機 PEG-NX70V 発売。ARM アーキテクチャの XScale (200MHz) 搭載
2003
2003-06Tungsten T が登山家と共にエベレスト山頂に到達Handspring がスマートフォン Treo600 発売
2003-10Palm Inc. は HandSpring を買収し、PalmOne に改名。同時に PalmSource へ独立分社化。
2004
2004-02PalmOS Cobalt (6.0)発表 (搭載端末は最終的に無し)
2004-05Xerox との Graffiti 訴訟に勝訴
2004-06 Sony が CLIE 海外市場からの撤退を発表
2004-10Treo 650 スマートフォンをリリース
2005
2005-02 Sony が日本国内市場からも CLIE 撤退を発表し、PalmOS から完全撤退。最後のデバイスとなったのは有機ELを搭載した PEG-VZ90
2005-04Treo 650 が 100万台を突破
2005-05PalmOne は PalmSource から Palm のブランド名を3,000万USDで買い取り、Palm Inc. へ改名
2005-06HDD 搭載 Life Drive リリース
2005-09 ACCESS が PalmSource を3億2400万USDで買収
2005-12 WILLCOM/SHARPが同社初のWindows Mobile5.0搭載W-ZERO3リリース
2006
2006-01同社初の Windows Mobile 搭載端末 Treo 700w をリリース
2006-02 ACCESS がGarnetVMを含むACCESS Linux Platform(ALP)を発表
2006-03Pilot 誕生から10周年
2006-10 Softbank Mobile/HTCが同社初のWindows Mobile5.0搭載X01HTリリース
2006-12PalmがACCESSから PalmOS Garnetのソースコードライセンス(利用・改変権)を4,400万USDで購入
2007
2007-01 Apple が初のスマートフォン iPhone 発表
2007-06投資会社Elevation Partnersと戦略提携Apple が iPhone リリース
Google が携帯電話用プラットフォーム Android 発表
2007-10Centroスマートフォン リリース
2007-11 ACCESSがNokia Nシリーズ向けに PalmOS GarnetVM (仮想実行環境)を提供
2008
2008-04Centro 100万台突破
2008-08Centro 200万台突破
2008-09 Apple が 3G対応 iPhone リリース
2008-10 Google Android 搭載端末 T-Mobile G1 リリース
2008-12非スマートフォンPDAのの終焉宣言iPhone販売台数がWindows Mobile搭載端末の台数を抜く
2009
2009-01PalmがCESにて新プラットフォームPalm webOSと搭載端末Preを発表
2009-02現在販売中のモデルを除くPalmOS搭載端末の終焉宣言

個人的な感想としては、PalmOSと端末は Palm V の時点でいったん完成してしまった。 その後は Sony と手を組んだことによってハイレゾ・カラー化やマルチメディアへの対応など進歩したのは確かだが、元々のコンセプトである Zen of Palm との乖離に苦しんでいるようにも見えた。 特に近年になってスマートフォン Treo の時代になると、ネットワーク接続を前提としていなかった PalmOS は更に矛盾を抱えるようになる。 幸いな事に近年までライバルと言えるのは Windows Mobile 程度で、Blackberry はビジネスツールという形でマーケットが違っていたのだが、ここ 1,2年は iPhone の登場と Blackberry のマーケット拡大に完全に押される形になっていた。

PalmOS の終焉にはどうしても寂しさを感じてしまうものの、ここで今までのPCを母艦とするPalmOS からインターネットを母艦としたwebOSへシフトするのは正解だろう。Palm と言うモバイル向けのハードウェアとソフトウェアを一括供給する事でモバイルのユーザ体験を提供する能力を持つ稀有な企業が、この先の10年をまたリードする会社となることを祈りたい。

参考サイト:

February 17 Tue, 2009

*1  日米での電気料金を比較する

こちらの家は全館空調かつ湯沸かしやコンロもオール電化で、かつ家電も特に省エネなんていう概念がない(電灯のみは白熱灯から蛍光灯に切り替わりつつあるようだが)。自然と電気料金はバカ高くなりそうなものだが、ここ半年間暮らしている限りでは意外と許容範囲内に収まっている。

丁度、去年分の電気利用料レポートが出てきたので、東京電力のTEPCO電気料金シミュレーション - 従量電灯Bを使い、試しに 50A 契約 (基本料金 1,365円) で計算してみた。円ドルレートを100円として、ちょうど半額程度になっている。90円前後の今であれば更に割安になる。
電気使用量 電気料金 TEPCO換算
一番高かった9月 1,352kWh $168.71 34,862円
一番安かった11月 911kWh $110.29 23,599円
平均的な利用月 1,100kWh $140.00 28,426円
日本であれば発狂しそうな電気使用量であるが、こちらだとガスが無いことを考慮して、まあ普通だろう。特に真夏は全館冷房のエアコンがほぼ動きっぱなしになるので電気代も否応なしにかさむ。そもそも夏は常時80%以上の湿度で建物が傷むため、基本的にエアコンは切っていけないことになっていたりする。

ちなみにこちらは地域でも複数の電気会社があるので、会社や州によって値段がそれなりに大きく違う可能性はある。それでも日本よりはだいぶ安いのだろうとは思うが、どの辺のコスト差が値段に効いているのかは知らない。やはり原油価格なのだろうか。

February 23 Mon, 2009

*1  WhoCallsMe?

こちらは電話での広告がかなり多く、特に家のローカルラインには知らない番号からよく電話がかかってくる。この間も見知らぬ番号から着信があったので、ふと試しにググってみると 7865871021 - who calls me from 786-587-1021? と言うサイトが引っかかった。電話番号を元になんの目的の電話なのかを情報共有するサイトらしいが、これを信じる限りではどうやら名前の収集を行っている業者っぽい。こんなサイトが存在するのも、セールス電話が多い米国ならではと言う気もする。日本でもあったら便利かもしれないが。

*2  National Do Not Call Registry

ちなみにうちはしばらく前に、こういうセールス電話を拒否する National Do Not Call Registry に登録したのだけど、それでもたまに電話がかかってくる。リストにある番号に電話すると罰金は最高$11,000らしいので、今度かかってきたら通報してみようかな。

February 24 Tue, 2009

*1  iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 570J シルバー (日本での同等品)

iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 570J シルバーしばらく前から欲しかった全自動掃除機 iRobot Roomba を、1ヶ月程前によう やく購入した。Costco モデルの Roomba 550 (USのRoomba 560同等品) で、普段の価格が $274 なのが instant rebate $50 が引かれて $224 と言う値段。日本ではどうしてあんなに高いんだか。このモデルはスケジュール機能搭載でリモコンは無し、充電ステーション、部屋を仕切って掃除するための「バーチャルウォール」が2個と交換用フィルター3枚が付いていた。

2月1日に購入してからしばらく使っているが、これは非常にいい。スイッチを押すと、1時間くらいかけて同じ場所も何度も念入りに掃除してくれるので、人間がやるより綺麗になる気もするし、手間がないので毎日気軽に掃除できるのもいい。ちょっと音がうるさいのが難だが、米国の掃除機だとどれもこんなものだし、日本でも昼間に出掛けるときにでも使えば特に問題ないだろう。

たまにカーペットと机の足の部分の隙間に挟まっていたり、台に乗り上げて動けなくなったりしていることがある以外は、概ね順調に掃除をしてくれる。手入れはゴミ捨てとブラシに絡まった髪の毛を取り除く程度。何といっても人間様が働かなくても掃除機が掃除してくれるというのが素晴らしい。全く、これこそが未来というものだ。

全自動で床を掃除するという機能の都合上、最大限にパフォーマンスを発揮させるには床に殆ど何も物を置いていない状態にしないといけないが、まあ逆に部屋が散らかりにくくなるのはメリットかもしれない。日本での価格は高すぎるとは思うが、個人的には非常にお勧めできる家電である。探すと安い類似品も見つかるようだが、性能は定かではない。

よければ猫も一緒に飼うといいかも。来てるね、未来。

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